フットサル ポジション解説/”ピヴォ”はどういう選手?役割?

フットサルのポジション解説、この記事ではフットサルの最前線のポジション”ピヴォ”について解説していきます。

特にフットサル初心者の方、フットサルへ移行したばかりのプレーヤーはぜひご一読ください。※フットサル競技者も参考程度にみてください。

✓筆者プロフィール

ヴェルディフットサルユース、チェルシーサッカースクールなどでの指導経験と、サッカーでは習志野高校(全国ベスト8)、フットサルでは関東リーグ2部などでの競技経験を基に、サッカー、フットサル戦術やトレーニングなどを紹介

ピヴォ(の役割)とは

サッカーからフットサルへ移行したばかりのプレーヤーからすると、ピヴォ=最前線にいるならフォワードと一緒では?と思う方も多いのではないでしょうか。

 

ゴールに一番近いので、単独で点が取れるストライカーの様な選手が前線にいれば、チームのストロングポイントとして活かすべきだと思います。

 

ただ、別記事でも解説しましたが、フットサルのコートはサッカーの約9分の1の広さ。イメージとしてはペナルティエリア内で5対5と、スペースが少なく、狭い中で前を向いてボールを受けてシュートをするのはとても難しいです。

 

さらにフットサルだとゴールも狭く、クロスやロングシュートも入りづらいという環境で、ピヴォとはどういうポジションか先に動画でイメージしましょう。

 

1998年〜2010年くらいにフットサルを始めた方ならご存知の方も多いでしょう。

現在のピヴォの原型を作ったと言っても過言じゃない選手、フットサルの元ブラジル代表のベットンです。名前からして強めです。

 

例えば腿だと女性のウエストくらいあるような身体の大きさ(太さ)で、背負われたら最後。ただ我慢するかファールで止めるしかないです。

 

当時で言えば日本のピヴォ像の最たるはあのフィジカルでのキープになっていました。私も憧れが過ぎて同じ髪型にしていた頃があります。

 

動画でもある様に、ピヴォはゴールに対して反対を向いていることが多くなります。

ディフェンスを背負ってボールを受け、反転してからシュートするイメージが1つ。シュート以外はポストプレーで走り込んだ味方へパスをする(シュートを打たせる)ことが多くなります。

その他にもピヴォは前線にいるので後列の味方がディフェンスのプレッシャーを受けている時など、ボールを前線で収めることで相手のディフェンスを下げさせる役割もあります。

 

・得点をとる

・アシストをする

・(ボールをキープして)ディフェンスを下げさせる→味方へのプレッシャーを回避する(させる)

 

まとめると結果的に身体の強さがピヴォに必要な要素の1つと言えます。

 

ディフェンス経験者がフットサルで前線のピヴォに?

身体の強さやフィジカルコンタクトを辞さないポジションとして、サッカーでディフェンスだった選手が、フットサルでピヴォになる事が多くあります。

※私も高校時代はセンターバックです。

 

日本のトップカテゴリーのフットサル選手でもセンターバック出身の選手がピヴォになっている方が多数います。

サッカーでいえばDFからFWへのコンバートのようなイメージですが、サッカーで身体を当ててフォワードをブロックしてきたディフェンス選手にとって、ピヴォはフットサルで活躍できる(しやすい)ポジション(選択肢)と言えるでしょう。

 

ちなみに私の場合は、サッカーでセンターバックの潰れ役、頑張る役だったので、ボールを上手く扱う技術はなかったですが、そういった部分も含めてフットサルを始めた当時の監督がピヴォのポジションを与えてくれました。

身体の強さがないとピヴォはできない?

この表現だと、身体が強くなくてもできるって事でしょ?となりますが、もちろんできると、むしろそういう選手が今後活躍するとも思っています。その理由を解説していきます。

 

ちなみに身体を鍛えている、強さを武器にしているピヴォ・プレーヤーを否定はしていることでもなく、自分のどこを強みとして相手と戦うかの話です。

 

以前、ボクシングチャンピオンのメイウェザーが那須川選手とボクシングで戦いましたが、それと似ていると思います。

那須川選手に合わせてキックボクシングで勝負したとしても、もしかしたらパンチのみで勝つ事もできたかもしれないですが、

100%実力の発揮できる方法、自分の得意領域で勝負をした=不利な領域に自分を置く必要はないということです。

 

ではピヴォはパワーだけで勝負をする領域でしょうか?

 

ピヴォの選手は基本的に相手ディフェンスを背負うとなると最終ラインに位置するDF(フィクソ)と対峙する事になります。

 

フィクソの選手はディフェンスに長けている選手=フィジカルをストロングポイントにしてきた選手が多くなり、前線でピヴォとフィクソがフィジカル対決をすることが起こりやすく、その場合、フィジカル対決で強い方が主導権を握りやすくなります。

 

ボクシングでいうインファイトタイプで懐に入ってお互い殴り合いです。上述のベットンの様なフィジカルの強い選手がいれば、この競り合いで負けることが少ないので試合も優位に進められます。

 

対してフィクソも強いピヴォに真っ向勝負ではなく、ピヴォにボールを入れさせない→インターセプト狙いでの対応という選択肢があります。ボクシングでいうとアウトボクサーですね。

 

身体を抑えてくる選手を外して先に予測してパスコースを消す。毎回成功こそ難しくともボールを素直に入れさせない事を増やすことは可能です。

 

フィジカル勝負でキープや打開をしたいピヴォにとっては活躍シーンが半減、ボールが入りづらくなれば、味方選手がピヴォにボール(パス)を入れにくい心理状態を作れます。

現代のフットサルにはピヴォが長くキープする時間がない

フィジカルコンタクトが強いピヴォのプレーは観ていて楽しくエンターテイメント性も高く、戦術的にも力強いピヴォはどこのチームも一人は欲しくなるのも事実ですが、トップカテゴリーではない場合、そううまくチームに参加できないことも多いでしょう。

 

ではここで現代のピヴォがどのような選手か先に動画をご覧ください。

 

 

バルセロナのフェラオとエルポソのアレックスです。

フェラオは身体は強そうに見えますが、ベットンのようにずっと背負ってキープをしておらず、ボールは動かしつつキープ、フィクソがつられてできたスペースに味方を走らせる。あとはダイレクトプレーでシュートが多いです。

二人ともに後列のボール回しにも参加しながら前のスペースに侵入しシュート、アシストをします。

 

最近のフットサルはピヴォがキープしている時間はなく、キープしていると二人で挟まれたりなどもされてしまうポジションになっています。

 

攻撃と守備の切り替え、攻撃方向の上下動が早くなっているためと、ディフェンスが完全マンツーマンではなくオルタナティブにポジションを取る戦術も出てきたためと想定されます。

 

キーパーからスローをトラップしてシュートなどもあるように展開がどんどん速くなってきています。攻撃にも参加し動きながらボールを受けて相手スペースをチームで使う動きになっています。

 

そのような中でベットンの様なフィジカルが必ず必要になるでしょうか。

 

現代のピヴォは

・敵陣でボールを動かしながら相手に取られないポイントにボールを運びながらシュートまで一人でいけるか

・ボール回しに参加しながら相手のプレッシャーを回避できるか

・前線のスペースの認識が早く、ポジションを取れるか

・スペースに走った味方へのアシストまたはポジションをとってダイレクトシュートができるか

・前線からのディフェンスを早く抜けた相手にも強度高くプレスができるか

 

現代はディフェンス面も高い強度を必要とされ前線でボールを奪うことも求められ、身体の強さを必ずしも必要とはしないポジションなのでは、とも感じます。

 

以前のように身体の強さも必要としてくれているチームももちろんありますが、上下動が早くなっている現代フットサルでは、最後のディフェンスの寄せが早くできるかは無視できない項目になっています。

 

身体の強さよりも切り替えの速さやスペースの認識の強さなどが大事になってくる、そう言った意味ではサッカーの中盤の選手も現在のピヴォは向いているともいえるでしょう。

ピヴォとセットで考える

身体は強い選手がいいけど、攻守の切り替え、戻りが速い選手じゃないと、ディフェンスに数的不利ができてペースを掴めない(掴みづらい)→結果、身体の強いピヴォの強みを活かせない=使いづらい選手←になっている。

 

その結果、消極的選択を取ると身体の強いだけの選手は使いづらいという、監督の中でここの整理が出来ていないパターンが見受けられます。

 

ディフェンスファーストは当然であって、失点すれば負けてしまうわけですから、選択としては間違いではないですが、監督はそこについて頑張って戻ってくるといった曖昧な指示のみになっていませんでしょうか。

 

もし屈強なピヴォを使って流れを考えるとするならば、その戦術を活かせるパートナーをセットで考えるのが〇でしょう。

 

オフェンス面ではピヴォ当てが得意な選手をセットで入れて、ボールを当てれば絶対勝てるピヴォが収めることで優位性を作りやすくなります。

 

ピヴォは前線にいるため、ネガティブトランジション=攻撃から守備になる切り替え←これが多くなり、特に背後を取っていると最終列から戻ってディフェンスと、精神的にも疲れるシチュエーションが増えます。

 

ディフェンス能力が高い選手や、切り替えスピード、人より走力がある選手が、ピヴォの(ディフェンス面の)ネガティブ部分を消し、相手の攻撃を遅らせる事ができるのであれば、チームとして良いセットになるでしょう。

まとめ

フットサルを始めたばかりのプレーヤーはそのイメージからピヴォをやりたいけど身体能力等でできない、自分は無理だと決めつけてしまった方も少なくないでしょう。

 

ただ、もしかしたら現代のピヴォになることはできるかもしれません。

 

個人的にはピヴォのポジションはアラやフィクソの選手も経験してほしいと思います。経験することでピヴォ当てのタイミングや重要性を違った視点から再認識する事ができるでしょう。

 

以上、皆さんのフットサル感が少しでも広がるきっかけになれたら嬉しいです。

 

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