サッカーにおいて、日本や韓国と共にワールドカップの本戦にも出場するアジアの強豪国として知られているオーストラリア代表。ですがそもそもオーストラリアってアジアの国ではないですよね。
今回はなぜサッカーオーストラリア代表がアジア枠として国際大会に出場しているのかについて調査しました。
オーストラリアはオセアニアに属する国
世界第6位の総面積を誇る国、オーストラリア。国名を冠する「オーストラリア大陸」が世界六大陸の一つに数えられ、オセアニア地域のリーダー格として知られる大国です。地図上では日本から大分南方向にあり、他のスポーツの大会などでは時折「アジア・オーストラリア」とまとめられることもありますが、やはりオーストラリアはアジアの国ではありません。
ではオーストラリア サッカー代表がアジア枠なのはなぜなのでしょうか。
オセアニアサッカー連盟とオーストラリア代表の歴史
サッカーオーストラリア代表は始めからアジア枠で出場していた訳ではありません。ではなぜオーストラリアがアジア枠になったのか、そこに至る歴史を見ていってみましょう。
サッカーにおいては、各地方に「欧州サッカー連盟」「アフリカサッカー連盟」といったサッカー連盟が存在します。オセアニアにもオセアニアサッカー連盟(OFC)が存在、ニュージーランドやパプアニューギニア、太平洋諸島の数カ国で構成されていますよ。
オセアニアサッカー連盟は実力や質が劣ると見られていた
サッカー6大陸連盟のひとつであるOFCですが、参加している国の数も、そのサッカーでの実力も、他の連盟よりも劣るとみなされていました。そのためOFCにはワールドカップの自動出場権が与えられておらず、「オセアニアの国々の中で予選を行い、一番になった国がワールドカップの本戦に出場する」ということが出来なかったのですね。
ではオセアニアの国々がワールドカップに出場するにはどうすれば良かったのかというと、別の地区の国との予選に勝利する必要があったのです。
オーストラリアは1974年にワールドカップ本戦に出場
1970年から1982年の大会では、アジア・オセアニア予選としてワールドカップ予選が開催されアジアとオセアニアのチームで本戦出場権を争いました。当時OFCに所属していたオーストラリアは1974年大会で同予選を勝ち抜き、OFC所属チームとして初めてワールドカップ本戦に出場しましたよ。
しかし1986年大会からはルールが変更され、予選こそオセアニア単独の予選として開催されるようになりましたが、その予選に勝ってもワールドカップ本戦には出場できなかったのです。
大陸間プレーオフがオセアニア勢の鬼門に
1986年以降のルールでは、オセアニア予選を勝ち抜いた後、更に大陸間プレーオフに挑み、勝利して初めてワールドカップ本戦に出場できることになっていました。大陸間プレーオフで対戦相手となるチームは、いずれも他の地区予選で惜しくも本戦出場を決められなかった強豪国たち、オーストラリアは幾度にわたってオセアニア予選に勝ち大陸間プレーオフに挑んだものの、なかなかプレーオフを突破出来ませんでした。
アジアサッカー連盟への加盟を目指した
OFCはレベルが低く、収益面でも他の連盟に劣り、ワールドカップへの出場も難しい。そこで2005年、オーストラリアはアジアサッカー連盟(AFC)に加盟申請したのです。競技レベルが高いAFCに加盟することで競技レベルが向上出来ると考えたのですね。
政府の後押しを受け念入りなロビー活動を展開したオーストラリアサッカー連盟。その甲斐もあり、OFCは2005年5月にオーストラリアの移籍を承認、AFCも2005年3月の執行委員会で全会一致でオーストラリアの移籍を承認しましたよ。
その後のオーストラリアとオセアニアサッカー連盟
実は移籍時期の関係もあり、2006年のワールドカップではOFC代表として戦い、大陸間プレーオフを勝利してのワールドカップ本戦出場を果たしていたオーストラリア。2010年大会以降は毎大会AFCから本戦出場を果たしており、AFCアジアカップでも2015年大会優勝など好成績を修めています。
なお、2026年ワールドカップより本戦出場国が32チームから48チームに拡大されることが決定しています。同大会より、遂にオセアニアにも確定出場枠が1枠与えられることとなっていますよ!
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最後に
今回はサッカーオーストラリア代表がなぜアジア枠なのかについて紹介しました。ちなみにOFCの中ではニュージーランドもオーストラリアと同じタイミングでAFCへの加盟を目指していましたよ。しかし、そちらは最終的にはOFCへの残留を決定しています。