勝てる社会人競技フットサルチーム作り/スポーツ心理学から学ぶモチベーションアップと目標管理 後編

こんにちは!リガーレヴィア葛飾(FリーグDiv2)の米谷です。

 

今回の記事は後編という事で、前編は目標管理でモチベーションアップを青山学院大学駅伝部の例を挙げてご紹介しました。

>>参考(前編):スポーツ心理学から学ぶモチベーションアップと目標管理 前編

 

大事なことは、身近な目標設定に対して管理しながら進んでいく事でした。

この結論は、変わることが無いと考えています。

 

しかし、フットサルというスポーツは駅伝という明確な設定タイムがある中で逆算していけるスポーツではないです。

そこで、フットサルという競技においてどのように目標設定していくのか後編で考えていきます。

目標設定がなぜ難しいのか?

サッカーノートを書いたことありますか?

サッカーや何かスポーツをしていると、トレーニング日誌を書いたことはないでしょうか。

いわゆるサッカーノートというものですね。日々の練習に対して目標や練習内容、課題点などを書いていくノートです。

 

例えば、選手としてサッカーノートを書いていて、目標が今日の試合で1点取る!という目標にした場合、その目標達成のためにどんな行動をするでしょうか?

シュートをたくさん打つことやゴール前に残ることなどが思いつきますね。

 

では、選手として目標としていた今日の試合で1点取るという達成が、どんな達成のプロセスでもリーグ優勝などのチーム目標に近づくでしょうか?

 

極端な例を挙げると、今日の試合で1点取ると書いた選手がキーパーだったら?笑

 

点取らなくて良いからゴール守れよ!!!ってなりますよね。笑

点を取りあうスポーツはチームの目標と個人の目標が一致しづらい

フットサルのように攻撃と守備が存在し、個人に様々な役割が与えられ、不確実性の多いスポーツは、チームの目標と個人の目標が一致しづらい場合が多いです。

 

ここを注意しないと、チームの取り組みに乱れが生じてしまうのだと考えています。

フットサルにおける目標設定とは?

フットサルにおける目標設定は、大きく2つであり、この2つは陸上競技でもフットサルでも変わりません。

1.チームの目標とは

年間リーグ優勝や、●勝●敗で前期を折り返すなど成績としての目標や、「私たちはピヴォを使って攻撃する」のように、チームとして掲げている目標と、それに対しての行動目標の事。

2.個人の目標とは

1試合1点取るや1試合シュートを20本打つなど、個人として掲げる目標と、それに対しての行動目標の事。

 

この2つになります。

 

この2つをできる限り繋げながら取り組んでいくために、チーム目標から個人の目標に落とし込んでいくのが自然な流れでしょう。

この落とし込みのプロセスにフットサルにおける目標設定のキーポイントがあると考えています。

チーム目標と個人目標の関係

では、実際にどのように目標設定をするか、考えてみました。

<チーム目標>

大きな目標「年間リーグ優勝」

達成するためのチームの行動目標

・攻撃プレーモデルの習得(前線にピヴォを置いた攻撃)

・守備プレーモデルの習得(前線からのプレス)

・セットプレーのパターン習得

各プロセスの中の目標

・攻撃(ピヴォを使って点を決める)

・守備(相手陣地でボールを奪って点を決める)

・セットプレー(コーナーキックから点を決める)

チームとしての取り組み方法の明確化

攻撃(ピヴォへの縦パスの練習)

守備(ボールの奪い方の練習)

セットプレー(パターン練習)

<各個人の目標>

A(ピヴォで試合に出る)

B(相手陣地でボールを1試合5回奪えるようになる)

C(コーナーキックから1試合1点取る)

各プロセスの中の個人目標

A(縦パスで受けたボールを反転シュートで決める)

B(DFのステップスピードを速くする)

C(パス精度を上げる)

個人としての取り組み方法の明確化

A(筋力トレーニング、ステッピングのトレーニング)

B(ラダートレーニング)

C(キックの練習)

 

かなり大まかに書きましたが、このようにチームの目標から考えていくと個人の目標までの流れができました。

 

ここで一つの発見がありました。フットサルも同様に目標を数値化できると。

 

大事なのは、チームの目標に対して個人の目標を「どのように結び付けていくか」ということです。

前編にも書いた、大きな目標から身近な目標を設定していくのは変わらないです。

 

フットサルではさらに、チームの目標からチームの取り組みまで、目標に対してチームとしてどう行動するのかを細分化する必要があります。

 

これが点を取りあうような競技の大きな特徴であると考えています。

 

このチームの目標と行動が可視化できれば、それに対して個々の目標を設定していけば、日々の取り組みもより明確になってくると考えます。

目標管理が大事

目標が定まり、日々の取り組みが明確になったら、次は目標管理です。

 

個々の目標とチームの目標を常に照らし合わせ、修正をしながら取り組むことで、大きな目標に近づいていきます。

目標管理によってコミュニケーションが生まれる

前編でも触れましたが、目標管理をすることで、監督と選手とのコミュニケーションが生まれると考えています。

選手の取り組みがチームの目標とずれていたら適宜修正を加えてより良い成長に導くこともできます。

 

目標設定で終わることが多いですが、目標管理がとても大事になります!!

誰の視点に立つかで目標は変わる!

今回は大枠で捉えましたが、この目標設定は誰の視点に立つかで考え方が変わります。

 

指導者の視点で考えると、指導者の中にも競技の競争の中で監督としての立場と、育成年代の指導者とでは目標設定が大きく変わるはずです。

 

トップカテゴリーの監督が原理原則の指導に時間を多く割くことは一般的にはないですよね。

より戦術的な指導がベースになるはずです。

選手としてどう取り組むか

では、選手としてどう取り組むかです。

 

僕は、目標の考え方を2つ持つと良いと考えています。

1.チーム目標に沿った個人の目標

2.個人の選手としての目標

この2つの考え方が重要であると考えています。

チーム目標に沿った個人の目標

これは上記にも書いた通り、チームの目標から個人の目標を考え、取り組み方法を明確にしていくことです。

そうすれば、個人の目標達成がそのままチームの貢献に繋がるはずです。

個人の選手としての目標

では、チームの目標に沿っているだけで成長はあるでしょうか?

僕はそれだけでは足りないと思います。

 

例えば、チームの目標から考えた個人の目標が1試合1点だとした場合、その目標達成をすることだけで本当の成長があるかと言ったら疑問です。

 

もし、将来は海外リーグでプレーしたいという希望があったら?

もし、得点王になりたいという希望があったら?

 

個人としての大きな目標があることで、それに対して日々取り組むことが定まってくると、よりチームへの貢献は増すと考えています。

 

監督としては、「この選手はこんなこともできるようになったのか。じゃあこういう役割を追加するか。」など。

ですので、選手として取り組む場合は、チームの目標と個人の目標をもとに、日々の取り組みを考えていくといいのではないかと考えています。

個人目標の設定が難しい場合

研修の最後に僕は「フットサルなど個人の目標設定が難しい場合、どのように考えたら良いでしょうか?」と質問をしました。

この問いに対して答えは「監督に聞いてください。笑」でした。笑

 

「どのような課題があり、例えばどうしたら試合に出られるか(良くなるか)監督に聞いてください。」ということでした。

 

この答えからも分かるように、個人の目標を設定する前に、そもそもチームとしてどのような目標が設定され、どのような選手が求められているのかを明確にする必要があります。

 

もし、選手として取り組んでいる中で、伸び悩んだり、評価されない時期が続いたら思い切って監督に聞いてみましょう。

 

「自分はどうしたらうまくなれるか?」

「どうしたら試合に出られるか?」

「チームが強くなるためには何をしなければいけないか?」

 

このご時世ですので「自分で考えろ!!」と言われることは少ないはずです。笑

監督は責任が伴う

監督の立場から考えると、チームの目標や取り組みが明確になっていないと選手に説明できないことになります。

 

僕も監督しているチームではできる限り明確にしています。

個々の選手の特徴や求めるものも記録しています。そうすることで、日々のトレーニングの質も変わってくるからです。

 

アマチュアの社会人チームでも大枠のガイドラインは設定できるはずですので、チーム活動の前に考えてみてはどうでしょう。

もしわからないことがあれば、僕に質問ください!一緒に考えましょう!

身近な目標を少しずつ積み重ねる。

個人の目標を明確にして、小さな積み重ね。

この繰り返しでモチベーションを上げていきましょう!!

 

※今回は、受講した内容を基に僕が書いたものです。補足や訂正あれば、ぜひご教授頂ければ幸いです。

この後編から読まれた方は前編も併せてご覧ください!

>>参考(前編):スポーツ心理学から学ぶモチベーションアップと目標管理方法/前編


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