頻繁に話題になる、サッカー北朝鮮代表のラフプレー。なりふり構わない姿勢から、恐ろしい噂が囁かれています。
女子サッカーにおいても、パリ五輪の切符をかけたなでしこジャパン vs 北朝鮮代表の戦いが2024年2月に開催され、注目が集まりましよね。なでしこ ジャパンは、2-1で北朝鮮代表を破り、見事パリ五輪出場を決めました!
今回はそんなサッカー北朝鮮代表のある噂について調査しました。
北朝鮮代表がサッカーの国際試合で負けたら収容所に入れられる?
世界の注目が集まるサッカーの国際試合でラフプレーを連発する北朝鮮代表。試合終了後には主審を囲んで猛抗議する様子も見られ、なりふり構わず勝利を得ようとする姿勢にある噂が囁かれています。
その噂というのが、「北朝鮮代表はサッカーの試合に負けたら収容所に送られる」というもの。
他にも「負けたら炭鉱送り」だったり、ひどいものでは「死刑」なんてものまで!?信じがたい噂ですが、本当なのでしょうか?
事実確認にはかなりの困難が伴う
2012年にアメリカの「ハフィントン・ポスト」が「北朝鮮は金メダルを獲得した選手にはテレビなどの豪華な報奨を与えるが、メダルを獲得できなかった選手は強制収容所に送る」と報じています。
こちらは五輪に関連した記事ですが、「最悪の場合は死刑が宣告されるケースも」とまで書いていますよ。
ただ、北朝鮮というのはその独特の立場やあり方もあって、こうした噂の事実確認を行うのにも困難が伴います。
「噂」と否定する声も多い
ハフィントン・ポストの記事に対しても、韓国の「世界日報」が「あり得ない」「負けたら炭鉱送りはうわさである可能性が高い」と反論しています。
実際に、南アフリカW杯の際にはポルトガルに0対7という屈辱の敗戦を喫した北朝鮮の当時の監督が、後に炭鉱送りどころか朝鮮スポーツ省の副大臣になっていたといいます。
サッカー女子北朝鮮代表のリ・ユイル監督も、2023年秋に日本代表に敗北したものの、2024年2月に変わらず来日、再び女子北朝鮮代表を率いました。
過去には実際に炭鉱送りになったサッカー選手が?
ただ、時を遡れば本当に炭鉱送りになった北朝鮮のサッカー選手はいたようです。アジアプレスの李鎮洙記者が2010年に記事を書いていますよ。
1966年のW杯、北朝鮮代表はアジアの国家として初めてベスト8入りを果たしました。代表選手の中でも朴斗翼選手は、グループリーグ最終戦のイタリアとの試合で決勝ゴールを決めた、正しく国の英雄的存在でした。
しかし1967年のある日、朴斗翼選手、そして共にW杯を戦った申英奎選手、李賛明選手は炭鉱送りにされてしまったそうです。
炭鉱送りの理由は敗北ではない
ベスト8ということは、最終的に負けてW杯を終えたということです。ただし、この三人が炭鉱送りになった理由は別に「負けたから」という訳でもない模様。
この三人は、重要なW杯の試合前に現地の女性と一夜を共にしていたそう。それを咎められ、炭鉱送りにされてしまったんですって。
北朝鮮では、何かに失敗すると「思想の腐敗」に原因を求め、重労働でそれを矯正するやり方を好むそう。
「異性にうつつを抜かしていなければもっといい成績が得られたのではないか」ということなのでしょうか?
炭鉱送りの期間は数ヶ月だったらしい
北朝鮮の選手達が負ければ収容所に入れられる、という噂はこの出来事に起因するのかもしれません。全く根拠のない話ではないものの、ガセと言えばガセということになりますかね。
ちなみに朴斗翼選手らの炭鉱送りは数ヶ月で終わったとされています。
朴斗翼選手は1976年と1990年に代表監督を務め、2008年には北京オリンピックの聖火ランナーにも選ばれていますよ。炭鉱送りを経ても国の英雄であり続けたのですね。
負けた際の罰の噂には元となる話こそあったものの、その話もそこまで特別恐ろしい話ではないといったところでしょうか。
北朝鮮サッカー代表「負けて炭鉱送り」は本当だった…W杯で決勝点の「英雄」にも容赦なし(高英起) – エキスパート – Yahoo!ニュース
最後に
今回は北朝鮮代表がサッカーの国際試合で負けたらどうなるのかについて調査しました。
ではなぜそこまでラフプレーをするのか、という話になりますが、サッカーは北朝鮮にとって実質的な国技。たとえ収容所送りなんて罰がなくとも、勝利を求める声はそれほど大きなものなのでしょうね。
ちなみに、サッカー男子の北朝鮮のFIFAランキングは2024年5月現在118位(日本は18位)、女子は11位(日本は7位)となっています。今後の北朝鮮のサッカーの動向にも注目して行きたいですね!