オランダのサッカーリーグ、エールディヴィジに所属するNECナイメン。120年以上の歴史を持つ伝統的なクラブで、日本人選手も複数所属しています。その実力はいかほどのものなのでしょうか。
今回はNECナイメヘンの強さ、現在所属している日本人選手の経歴などについて調査しました。
NECナイメヘンは強い?
1898年にサッカーリーグが始まったオランダにおいて、1900年に創立、非常に深い歴史を持つNECナイメヘンですが、実は1部リーグであるエールディヴィジで優勝したことは一度もありません。2部リーグのエールステ・ディヴィジで二度、3部リーグのトゥヴェーテ・ディヴィジで一度の優勝経験があるのみです。
トゥヴェーテ・ディヴィジを制したのは1963-1964シーズンのこと。以降は二部以上で戦いを続けています。基本的にエールディヴィジを主戦場としていますが、2017年から2021年にかけてはエールステ・ディヴィジで戦うなど、近年は苦しい時期もありました。
直近の成績は?
2021-2022シーズンに久々のエールディヴィジ復帰を果たしたNECナイメヘンは、同年のリーグ戦で18チーム中11位。翌シーズンも12位、下位に沈んだと言ってよいでしょう。しかし2023-2024シーズンは18チーム中6位、戦績を大幅に改善しました。特筆すべきは、同シーズンのKNVBカップ(オランダにおけるサッカーのカップ戦)で準優勝を果たしたということ。これは華々しい戦果ですね!2024-2025シーズンはリーグ戦8位という結果でしたよ。
オランダサッカーのレベルは
そもそもオランダサッカーのレベルはどれくらいのものなのでしょうか。いわゆる「サッカー5大リーグ」の中には入っていないエールディヴィジですが、ポルトガルやベルギーなどと共に、5大リーグの次点あたりに位置するサッカーリーグだと見られています。オランダという国自体のFIFAランキングは、2025年7月付のランキングで7位につけています。世界でも上位の実力を持つ国であることが分かりますね。
NECナイメヘンに所属する日本人選手は?
ここからは現在NECナイメヘンに所属する日本人選手について紹介していきます。2025年9月現在、所属している日本人選手は3人です。
塩外健人
最初に紹介するのは背番号9を背負う塩外健人選手です。東京生まれ、小学生時代にバディSC江東、中学時代に横浜FCジュニアユースで経験を積み、國學院大學久我山高校時代に全国高等学校サッカー選手権大会で結果を残し、高校センバツのメンバーにも選ばれました。
2023年4月にAO入試で慶應義塾大学に進学し、関東大学サッカーリーグ戦で3部得点王になるなど活躍を見せると2024年1月にJ1リーグの横浜F・マリノスへ加入内定、特別指定選手認定が発表されました。
出展:Jリーグ公式チャンネル
スピーディーに海外まで駆け上がった
大学一年次にJリーグクラブへ内定した塩貝健人選手は、4月にJ1初出場。同年にリーグ7戦に出場すると、なんと2024年8月にはNECナイメヘンへの加入が発表されました。エールディヴィジでの最初のシーズンとなった2024-2025シーズンは25試合に出場し、4得点を記録。KNVBカップでも2試合に出場して1得点を記録しました。
日本代表としては、2023年にU-18、2024年にU-19の代表として出場を重ねており、まだ20歳と若い塩貝健人選手には今後A代表の代表を背負うことも期待されていますよ。
移籍の噂もあった?
大学からスピーディーにステージのランクを上げていった塩貝健人選手ですが、なんと2025年夏にはオーストリアの強豪、レッドブル・ザルツブルクに移籍する見込みだったそうです。しかしその移籍は土壇場で破談になっており、塩貝健人選手は「理解できない理由で頓挫した」「今は彼らよりも強いクラブに移籍したいと思っている」「僕と契約しなかったことに対するリベンジを果たしたい」と怒りをあらわにしています。
どちらにしても、塩貝健人選手がNECナイメヘンでプレーする時間は短いのかもしれませんね。
小川航基
続いて紹介するのは小川航基選手です。大豆戸FC Jr.ユースから桐光学園に進学し、三年生の時にキャプテンを務めて全国高等学校サッカー選手権大会でも得点ランキング2位に輝く活躍を見せました。2016年シーズンよりジュビロ磐田に入団し、ルーキーイヤーはカップ戦でデビュー、2017年にはルヴァンカップ最年少ハットトリック記録を更新する活躍を見せました。
2022年には当時J2だった横浜FCに完全移籍し、41試合でリーグ最多の26得点を記録、最優秀選手賞とベストイレブンに選出されましたよ。
NECナイメヘンには期限付き移籍で加入
2023年7月に横浜FCからNECナイメヘンへ期限付き移籍という形で加入し、リーグ戦32試合で11得点を記録。シーズン終了後に完全移籍を果たしましたよ。
小川航基選手は日本代表としても活躍。U-18からU-21までの世代別代表での出場を重ね、2019年EAFF E-1サッカー選手権でA代表に初選出されました。2024年3月にはワールドカップアジア二次予選で5年ぶりに代表選出、アジア3次予選でも活躍を重ねています。
佐野航大
最後に紹介するのは佐野航大選手です。ブンデスリーガ、1.FSVマインツ05の佐野海舟選手を兄に持つ選手ですね。
米子北高校で1年から10番を背負い、3年連続で全国高等学校サッカー選手権大会に出場。2021年のインターハイでも大会優秀選手に輝くなど活躍し、2021年10月にファジアーノ岡山への加入が内定しました。J2のファジアーノ岡山では2022年にリーグ戦28試合出場し3得点、2023年にリーグ戦20試合出場し2得点、天皇杯でも1試合に出場しました。
兄弟で日本代表に
2023年8月にNECナイメンへ完全移籍を果たした佐野航大選手は2023-2024シーズンにリーグ戦24試合で4得点、KNVBカップ6試合で1得点を記録。2024-2025シーズンもリーグ戦25試合で2得点、KNVBカップ2試合出場と活躍しています。
日本代表では、2024年にU23アメリカ代表との強化試合の際にメンバーに招集。2025年6月のワールドカップアジア最終予選では自身A代表初選出を果たし、この時に兄弟での代表入りとなっています。
最後に
今回はNECナイメヘンの強さ、及び所属している日本人選手について紹介しました。18チームで優勝の座を争うエールディヴィジ。100年以上の歴史の中で一度も頂点に立っていないというのは少し寂しい話ですよね。日本人選手の奮闘にも期待しながら、NECナイメヘンの戦いぶりに注目していきましょう!