フットサル 戦術解説/オフェンス編(1)<ジャグナウ>

フットサル戦術解説、この記事ではジャグナウについて解説していきます。

特にフットサルの動き方にはどんなものがあるかを知りたいライトプレーヤーはぜひご参考ください。

✓筆者プロフィール

ヴェルディフットサルユース、チェルシーサッカースクールなどでの指導経験と、サッカーでは習志野高校(全国ベスト8)、フットサルでは関東リーグ2部などでの競技経験を基に、サッカー、フットサル戦術やトレーニングなどを紹介

フットサル戦術の基本 “ジャグナウ”

改めまして今回はフットサルの戦術の基本であるジャグナウの解説です。

私も得意としているプレーの1つで、これが出来るとフットサルのスペースのない(狭い)ところでもボールが受けられる。サッカーにはないフットサルの独特の動きを合わせたものです。

 

また、逆にサッカーのシーンにも使用することができ、特にゴール前でDFがタイトに寄せてくるときなどに活用できます。

 

パラレラという言葉を聞いたことがありますか?

ジャグナウはパラレラとよく比較されますが、パラレラは縦の関係、ジャグナウ(ジアゴナル)は斜めの動きでサッカーではダイアゴナルとも。

関連記事:フットサル 戦術解説/オフェンス編(2)<パラレラ>

 

参考:フットサルのジャグナウの基本的な内容の動画

これは斜めのスルーパスの様な形ですね。

1本目は浮かしているボールを出しています。サッカーでも使えそうです。

ジャグナウの戦術整理

ジャグナウの基本的な条件といえばこれだけです。
・スペースでボールを受ける2人の関係性の動き

・斜めの対角線のパス

・パスを真ん中(フィクソの位置)から出した選手が裏へ抜ける。

・スペースに対してデフェンスから離れる動きをする。跳ねる。折れる等の表現。

 

ディフェンス裏のゴールに近いスペースでボールが受けられるとイメージした方も、すでに実際のフットサルシーンでうまく通らない事を経験した方も多いのではないでしょうか。

 

おそらくこれだけで実戦で活用できたプレーヤーの方が少ないでしょう。あとは自身がうまく動けても味方から(いいタイミングで)パスがこないパターンも。

 

『ジャグナウを使ってシュートまでいこう』と練習試合にチームでチャレンジしようと決めて挑戦するも、相手ディフェンスに捕まってしまう事が多いことが想定されます。

 

簡単に整理をすると受ける側のコツとパスを出す側のコツがあるという事です!

受け手のコツ

自身がジャグナウをする時、味方パサーとディフェンスの距離感は?

これは離れているほどいいでしょう。ジャグナウができなくても他のプレーに変更しやすい。

プレッシャーがある程度あっても、ドリブルである程度ボール保持できる選手であればドンドン狙いにいって大丈夫でしょう。

自分のマークとの距離感は?

大事なことは、ディフェンス側のセオリー「ボールとディフェンスの見える位置にポジショニングする」を破る事です。

オフェンスがスペースへ抜けていくなかで、ディフェンスの視野からいなくなる事で、”相手のかかとをとる”とも言いますね。

 

ではどうすれば視野からいなくなるか!?

 

自身とディフェンスが近ければ、裏のスペースに速く抜けるようにすれば、ディフェンスは、マーク(自身)とボールの両者を同一視野に入れることが難しくなり、どちらかになります。

 

自身とディフェンスに距離があるときは、ゆっくり真ん中をジリジリ抜けながら、急にテンポ(スピード)アップして消える→スペースに折れる。

 

万が一べたっとディフェンスがくる場合は相手を押しながら跳ねる。※後ほど動画にあります。

これがプレッシャーのかかった局面だと非常に使えます。(押し倒すほどではなく、相手の動きが止まる程度)

出し手のコツ

ボールを受ける前に空いているスペースを認識できているか。

前提として自身がボールを受ける前にスペースを認識できているとプレーが明確になります。

受け手のディフェンスとの距離感は?

これによって受け手のボールを受けるタイミングが変わってきます。近くてスピードを出していれば裏に浮かして出しても良いですね。このタイミングを合わせるのが難しいですが、フットサルの楽しいところです!

自分とディフェンスの距離感は?

4、5メートル離れていれば相手に合わせて。

2メートル以内なら受け手が空けてくれたスペース(中央)にトラップする。これを”中ドリ(中へのドリブル)”と言ったりもします。

 


このコツは、フットサルの2人の関係性のプレーにおいて、基本的な認知・判断・操作(動作)となります。

つまりジャグナウはフットサルの基本的な動きで出来ているプレーという事です。これで基本的なフットサルの動きを覚えるのも〇でしょう。

 

まずは繰り返し繰り返し実践しまくること、2対2のシュート練習やパサー付きの1対1のシュート練習などが〇です。

フェイクやブロックなどを使いながら、ジャグナウを使える時を追及しまくるのも〇、その際、ディフェンスはできるだけつけましょう。

関連記事:フットサル 戦術解説/オフェンス編(4)<フェイク>

 

ここでうまいジャグナウ動画を2つ紹介します。

スペインリーグの様々なジャグナウ

 

次にフットサルの世界ナンバー1プレーヤー、リカルジーニョのトンと押す感じがうまいジャグナウ。

相手の力も使って綺麗に跳ねてます。一気にスピードアップした時に自分のマークの目線をしっかり見ていて、出し手もリカルジーニョがダッシュをしたタイミングでそのスペースにカットインしてます。

 

そしてサッカーでは、バルセロナでのスアレスの動きがまさにそれでした。

マークがスアレスに完全に置き去りにされています。

 

またそのスアレスにパスを出したメッシのも凄い。

 

以上、ジャグナウについての解説でした。

次は同じくフットサルの基本戦術”パラレラ”について解説していますので、併せてご覧ください。

関連記事:フットサル 戦術解説/オフェンス編(2)<パラレラ>