こんにちは。リガーレヴィア葛飾の米谷です。
・関東フットサルリーグ得点王、ベスト5受賞
・地域チャンピオンズリーグ得点王
・フットサルチーム監督、指導
・フットサルクリニック開催(不定期)
※プロフィールは記事投稿時点のもの
フットサルは様々な動き方について言語化されています。
「ブロック」→守備者の進路に立って邪魔をすること
「パラレラ」→縦のスペースでパスを受けに行くこと
「ジアゴナル」→斜めに動いてパスを受けに行くこと
他にもありますが、「アルカ」という動きをご存じでしょうか?
かなりマニアックですね。笑
↓アルカの動画はこちら(白11番の動きに注目)
「アルカ」とは、ボール保持者(ボール非保持者)の背面にアーチ状に回り込んでサポートをする動きのことです。
今回、「アルカ」という動きについて紹介することで、フットサルの攻撃で有効なプレーや考え方をお伝えします!
某日。
背面サポート「アルカ」「アトラス」をすることで、
プレスに対してのポゼッションを高めること、
トライアングルを形成することを容易にすることができる例。
1回のセッションでモビリティも向上。
3月20日夜9時~
FFC東川口でトレーニング実践企画してます。
興味ある方は連絡ください! pic.twitter.com/TSlqIfy0oX— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) March 6, 2022
「アルカ」を知ると投稿動画のように、
ボールを保持できるようになったり、
ボールを持っている時の選択肢が広がるなど、
様々な効果が期待できます!!
タップでとべます↓
「アルカ」とはアーチ状を意味する言葉
僕が「アルカ」を知ったのは、ブラジルフットサルチーム「カスカヴェウ」の試合を見てからです。
不思議な動きをするな~と見ていたら、カスカヴェウの監督のカッシアーノがインスタグラムでアルカについて投稿していました。
さらに、期間限定でアルカのコンセプトについてオンラインセッションも公開しており、視聴したのがきっかけです。
「アルカ」は「Arca」と書き、アーチ状などを意味します。
言葉の意味通り、アーチ状に動きます。
アルカの動きの意図は「緊急サポート」
アルカを行う意図は、ボール保持者に対して「緊急サポート」になります。
ボール保持者よりも低い位置にサポート位置を取ることで、
ボール保持者へのプレッシャーが強まった場合、パスの受け手(避難先)になることができます。
アーチのように動くことで、ボール保持者はサポートの選手を完全に見なくとも、足の裏で背中側にパスをすることができます。
ターンをして面と面を合わせてパスをしなくても、早くパスが出せる点でも、「緊急サポート」としての動きが担保されています。
フットサルを学んでいる方の一般的なイメージは、「カーテン」や「ブロック」などでボール保持者を助けますが、
例えばカーテンを行った後に、「どこに」サポート位置を取るかというと、大体の方が、平行かプラスの位置に取ることが多いと思います。
しかし、アルカは基本的にボール保持者よりも低い位置にサポート位置を取ることが特徴的です。
守備者を迷わし、引っ張り出す!
~アルカを行うことで起きる様々な戦術的効果~
アルカ自体の動きの意図は「緊急サポート」です。
さらに、アルカをすることで5対5のフットサルのピッチ上では様々な戦術的意図を設けることができます。
様々な戦術的意図の重要なポイントは、「守備者を迷わすこと」です。
3オンライン形成
アルカでアーチ状に下がるということは、アクションした選手が、斜め後ろに配置されることが多いです。
その結果、ボール保持者が中点として、3オンラインと言われる3人が1直線上に配置されるポジションを取ることができます。
3オンラインが形成されると、守備者は迷いが生じてディフェンスするのが難しくなります。
通常、3オンラインを作るときには、人が前進して中点になりますが、アルカの良いところは、ボール持っている人がアクションを起こさないことで、難易度が下がるところです。
守備者を引っ張り出す(スペースの創出)
アルカを行うことによって、守備者を引っ張り出し、背後にスペースを作ることが可能になります。
背後にサポート取った選手にディフェンスがついてくれば、ディフェンスがいた場所にはスペースが生まれ、カバーリングも希薄になります。
カバーリングが希薄になれば、より簡単に背後のスペースへ進入していくことができます。
トライアングル構造
アルカによって斜め後ろに位置することで、ボール保持者が大きな移動を伴わなくても、トライアングルが形成されます。
トライアングルが形成されれば、守備者は対応に迷います。
人につけば、カバーリングが希薄になります。
プレッシャーが甘くなれば、パスコースが多く生まれてしまいます。
アルカを行うことで、動き自体の目的は「緊急サポート」でありながら、グループ戦術的な効果も生まれやすい動きになります。
動画のようにピヴォ当てのコースを作りやすくすることもできます!
重要なのは、スペース=時間
カスカヴェウの監督が、多く口にしていたのが、
スペース=時間
という言葉。
<ライン間について書いた記事より>
スペース=時間があれば、選手は考える時間や動く時間など、相手にとってより脅威となるプレーができるようになるというニュアンスで伝えていました。
僕自身、この考えにとても共感しました。
アルカの動きは、緊急サポートという意図がありつつも、
ボールを受けたときに、相手との距離があり考える時間を持てる動きということになります。
ちなみに、このスペース=時間については「マノブラ ヘッドルノ(manobra de retorno)」というコンセプトでも紹介していましたが、今回はアルカの紹介から説明しています。
参考記事はこちらの内容の中で紹介している、「下がるサポート」と類似しています。
「アルカ」受け手(ボールを持っていない選手)のメリット
アルカを行ったときに、受け手はボール保持者の背面で受けます。
背面で受けようとすると、
自然と身体の向きが開いた状態(前向き)になります。
前向きな状態でパスを受けるため、全体の情報が得やすく、結果としてプレー判断やプレー成功率(パス成功率)が向上します。
背面でパスを受けるために、
自然とサポートに入るスピードも上がります。
アルカを成功させるポイントは、この緊急サポートがどれだけ早く動けるか?
も重要なポイントになります。
「アルカ」出し手(ボール保持者)のメリット
ボール保持者は、サポートの選手が背面に位置することが基本になってくるので、
背面にパスを出す時に、「ピサーダ」と言われる足の裏を使ってパスを出すことが多いです。
足の裏で後ろにパスを出すことができるので、
ボール保持者は前方を向いたまま(方向転換をすることなく)パスを出すことができます。
そのため、
- パスを出すまでのスピードが向上すること
- 前方の情報を収集しながらプレー選択できること
この2つのメリットが生じます。
取り入れやすい動き「寄るサポート」
アルカの動きはなんとなく難しそうなイメージを持たれるかもしれませんが、決して難しくありません。
理由は、この動きは「(ボール保持者へ)寄るサポート」だからです。
フットサルをプレーしている方が頻繁に行う、
「ブロック」「カーテン」「パラレラ」などボール保持者に近づいていくサポートの1種なので、やってみると意外とすぐできます。
某日。
背面サポート「アルカ」「アトラス」をすることで、
プレスに対してのポゼッションを高めること、
トライアングルを形成することを容易にすることができる例。
1回のセッションでモビリティも向上。
3月20日夜9時~
FFC東川口でトレーニング実践企画してます。
興味ある方は連絡ください! pic.twitter.com/TSlqIfy0oX— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@futsal_coach_14) March 6, 2022
これも1時間ちょっと練習した後の選手です。
技術的にも戦術的にも取り組みやすい動きですので、是非実践してみてください!
今日から使える「アルカ」
「アルカ」という言葉を聞いて最初はイメージつきにくかったかもしれませんが、この記事を読んでイメージしやすくなっているはずです!
ピッチ上で起こる局面に対して様々な解決方法があるのがフットサルの魅力の一つです。
1つの選択肢としてアルカはいかがでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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クライフの名言。
この言葉ほんと好き。「能力のないプレーヤーほど、他人のミスを責めたがる」
「フィールドで真にリーダーたるものは、誰かがミスをしたとき素早く頭を働かせ、次のプレーに備えるのだ」
— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) February 20, 2019
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