勝てる社会人競技フットサルチーム作り 攻撃編/攻撃におけるゾーン(高さ)

こんにちは。リガーレヴィア葛飾(FリーグDiv2)の米谷です。

 

今回の勝てる社会人競技フットサルチーム作りシリーズは、攻撃のゾーン(高さ)の考え方を理解し、チームとしてどのようにプレーしたらいいかを解説していきます。

攻撃のゾーンとは

攻撃において、ボールを保持している高さによって、プレー原則の優先順位を定める事ができる範囲のことです。

このプレー原則はチームで決める事にはなりますが、今回は基本的な原則から考えていきます。

3つの原則ゾーン

セーフティゾーン(自陣ゴールから13m)

自ゴールに近いため、必然としてボールを奪われたら失点の確率が高まるゾーン。

原則、ボールをいち早くミドルゾーンから前のゾーンに前進させることが優先されるゾーン。

具体的な戦術から考えると、前線にピヴォを置くことはセーフティゾーンからの脱出においても有効であると考えられます。

関連記事:フットサル ポジション解説/”ピヴォ”はどういう選手?役割?

ミドルゾーン(13mから27m(14m))

前進するのか、ボール保持をするのか、撤退するのか、

リスク管理をしながら、アタッキングゾーンへの前進を試みるゾーン。

 

システムアタックの構築ゾーンとしているチームが多いです。

アタッキングゾーン及びフィニッシュの可能性を常に伺い、アタッキングゾーンでチームとして良い状況を作り出すための仕掛けのゾーン。

 

具体的な戦術から考えると、1番簡単なものはドリブル突破ですが、ボールフォルダーに対してブロックなどで相手DF組織を崩し、アタッキングゾーンに前進するなどもあります。

アタッキングゾーン(27mから相手ゴール(13m))

常にゴールを奪うことを意識するゾーン。

最優先はゴール。そのためのフィニッシュ。

フィニッシュを行うまでに様々な攻撃の形はありますが、発想力がものをいうゾーンなので、常にフィニッシュを意識したプレーを行うのが重要です。

フィニッシュのデザインが重要ですが、相手にとってサプライズを起こすことが一つのキーワードだと考えています。

言い方が色々あるのが困るゾーンの名前

各ゾーンの名前は、サッカーから踏襲すると、セーフティゾーン=ディフェンディングサード、ミドルゾーン=ミドルサード、アタッキングゾーン=アタッキングサードと言います。

ただ、ゾーンといいながらサードという言葉にしてしまうと浸透度が下がると考えているので本記事では使いません。

本当に3ゾーンなのか?

この3ゾーンは基本的に、自陣から相手シュートレンジまでの高さと、相手ゴールから自チームのシュートレンジまでの高さから設定されているゾーンです。

 

ミドルゾーンは、主に攻撃を構築しながら、アタッキングゾーンに前進していくゾーンであり、リスク管理をしなければいけないという話をしました。

 

そのうえで、考えられるのは、ミドルゾーンはセンターレーンを挟んで、行動原則が変わってくるのではないかということです。

なぜなら、相手陣地でボールを保持している時と、自陣でボールを保持している時の、前進かリスク管理かの配分が大きく異なるからです。

 

ここは僕もまだまだ勉強中なので、今回は基本的な考えで説明しました。

ゾーンの設定は環境によって変化する

ゾーンの設定は環境によって変化することに注意しないといけません。

 

例えば、リーグの環境によって変化します。

東京都フットサルリーグもそうですが、コートサイズが縦40mもないコートで試合をするリーグもあります。

 

また、僕の監督しているチームはフィニッシュの精度がそもそも13mから行えないレベルです。

そうなると、僕が監督の場合、仮に縦が36mの場合、11m-14m-11mのゾーン設定にします。

 

このように、リーグ環境や自チームの能力に応じて、ゾーンの設定を調整する必要があるでしょう。

ゾーンごとのチームの約束や優先順位を決めよう!

ボールを保持している高さによって、プレーの優先順位(ボールの高さによってどんなプレーを選択すべきか)をチーム内で決めておくと、意識の統一がしやすいです。

 

例えば、ボールフォルダーが自ゴールに近い場所では、簡単にピヴォにパスをするか、アタッキングゾーンのピヴォがいないスペースに蹴ろうとしていたら、

ピヴォや周りの選手は、その約束に沿ったプレー(ピヴォはパスを受ける準備をする、周りの選手は前のスペースに走る)を考えやすいですね。

 

このように、ゾーンごとに優先順位を決める事で、失点の確率を下げたり、得点チャンスを多く創出できたり、様々なメリットが出てきます。

選手・チーム戦術によって行動原則が変わることに注意

今まで、ゾーンごとにどのようなプレーを意識するかを紹介してきましたが、ここで注意しなければいけないことがあります。

それはゾーンごとの「目的」を見失わないことです。

 

例えば、強力なドリブラーが存在する場合、陣形を1(GK)-1(ドリブラー)-3(前線)の配置にします。

過去に、湘南ベルマーレ(Fリーグ)が、ロドリゴを最終ライン1にしてドリブルで無双してました。

 

陣形から見ると、自陣付近で1人でボール持つと危ないんじゃない?となりますが、

強力なドリブラーにとっては、スペースが大きくあり、後方のDFはドリブル突破に対してカバーリングにいってしまうと、OFの選手が1人フリーになってしまいます。

チームによっては、この陣形こそ安全な場合があります。

本質:ゾーンごとに何を意識しなければいけないのか?

セーフティゾーンであれば、ボール保持、ゾーンからの脱出が優先されますし、アタッキングゾーンではフィニッシュが最優先になります。

 

もしフットサルを始めたばかりのチームで、ゾーンごとの考え方が決まっていなければ、

 

A:「自陣付近はボール取られたら危ないよね?」

B:「俺らは前線にボールキープできる選手がいるから、そこに早くパスしよう」

C:「それだけだと相手に読まれちゃうからピヴォのいないスペース狙うわ」

D:「俺たちはボール持っている人が孤立すると取られちゃうから、一人はプレスがかかりにくい安全な場所にサポートしておくね」

 

というように、チーム内でゾーンごとの話をしてみるのも一つだと考えています。

 

監督であれば、チームをデザインするときに、自分たちはゾーンごとにどのような意識でプレーするのかを明確に定義しておく必要があります。

 

そうしなければアタッキングゾーンで、

A:「常にフィニッシュの意識を持つぞ」

B:「いやここは安全にボールを保持しよう」

と意識が異なると、ちぐはぐな攻撃になってしまいます。

ゾーンごとの原則を理解し、より良い方法を見つける

上記の例からもわかるように、ボールの高さによってゾーンを理解し、チームにとってより良い方法を見つける事が大切です。

 

気をつけなければいけないのが、自陣に近いほど味方の人数を多くしなければいけないということではないこと。

チームにとってよりいい方法を探してみると○です。この方法は別テーマとして書きます。

 

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