こんにちは。リガーレの米谷です。
・関東フットサルリーグ得点王、ベスト5受賞
・地域チャンピオンズリーグ得点王
・フットサルチーム監督、指導
・フットサルクリニック開催(不定期)
※プロフィールは記事投稿時点のもの
先日、第101回天皇杯準決勝の 川崎フロンターレ 対 大分トリニータ の試合を観戦しました。
そこで、川崎フロンターレの選手の上手さに驚愕しました。
〇何でパス回しであんなにボールが回るんだろう?
〇何で攻撃の時に相手より人数が多く感じるんだろう?
〇何でチャンスを多く作れるんだろう?
っていうことを考えて見てみると、
フットサル選手がよく行っているプレーや動きが頻出していました。
そこに私が共感したと思います。
川崎フロンターレといえば、
「止める、蹴る」
というワードが多く出るくらい、基礎技術の高さを評価されています。
実際に試合を見て、
止める、蹴るが上手いのはもちろんでしたが、
それ以上に止める、蹴るという技術を発揮する前後の、
ボール無し、有りの動きが特に秀逸だと感じました。
フットサルでも大事にしている部分なので、
僕の中でも共通点が出てきたということだと思います。
今回は、川崎フロンターレの選手が行っていたプレーとフットサルで良く行われるプレーの共通点を紹介します。
それにしても、川崎フロンターレの選手は上手かった。。。。
驚愕ポイント①フロンターレの選手全員の標準装備「ボールアタック」
まず、目についたのはフットサルでいうところの、
「ボールアタック」
と言われる個人技術戦術です。
以前、他の記事でも紹介しました。
パスの受け手が行うプレーの一つで、
パスが出て、受け手にボールが到達するまでに、
受け手はボールを迎えに行って、
ディフェンスの矢印をズラすプレーです。
このボールアタックを、フロンターレの選手全員(キーパーも。すごい。笑)が標準装備でした。
ボールを迎えにいけるということは、
ディフェンスはプレッシャーのポイントがズラされるので、思うようにボールを取りに行けません。
オフェンスであるフロンターレの選手はディフェンスをズラすことができるので、
ドリブルのコースやパスコース、シュートコースなど、
ボールと人の通り道が見えやすくなります。
川崎フロンターレといえば、
中村憲剛選手を筆頭に「止めて、蹴る」が上手いという印象ですが、
止める前の動きが秀逸であることが分かりました。
本当にすごいです。
何故すごいのでしょうか?
驚愕ポイント②ボールアタックを芝の上で、スパイクで行っているという事実
川崎フロンターレの選手がボールアタックを行っているのは、
芝生の上です。
しかも、選手全員スパイクを履いています。
さらに、ボールも5号泣の弾むボールです。
川崎フロンターレの選手は、ボールを弾ませることも、どっかにいくこともなく、自分の思うところに綺麗にコントロールしていました。
パスが出た瞬間、ボールを迎えに行ってディフェンスの矢印をズラしインサイド(足の内側の部分)で、時にはアウトサイド(足の外側の部分)でボールをタッチして行きたい方向にトラップしていました。
驚愕です。笑
実際にやればわかりますが、そんなに簡単ではありません。
当たり前のように行う川崎フロンターレの選手を見て、
「これはボールを取れないよなー。笑」と観ていました。
驚愕ポイント③ 選手全員標準装備「コントロールオリエンタード」
川崎フロンターレの選手は、
コントロールオリエンタードと言われる個人技術戦術の質が抜群に高かったです。
コントロールオリエンタードとは、簡単に言うと「方向づけ」です。
イメージしやすいのが、トラップ(ファーストコントロール)する時にディフェンスのいない方向にボールを動かすプレーです。
ボールを好きな方向へコントロールできると、ディフェンスは寄せにくくなります。
なぜなら、ボールと人が動くのでディフェンスの矢印がズレやすいからです。
こちらの動画が分かりやすいと思います。
確かに、素晴らしいコントロールオリエンタード。
これ、川崎フロンターレの選手も全員上手かった。pic.twitter.com/tYfccIXMIW— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) December 26, 2021
川崎フロンターレの選手は、
ボールアタックとコントロールオリエンタードを自然と組み合わせてプレーしていました。
パスが動いてから、
ボールを迎えに行くことでディフェンスの矢印をズラし、
慌てたディフェンスが矢印を合わせようとするところを、
トラップでボールを動かして(コントロールオリエンタード)、
さらにディフェンスの矢印がオフェンスに合わないようにしていました。
結果、ドリブルのコースやパスコースを作ることができていました。
驚愕なのは、川崎フロンターレの選手全員が出来るので、
常にディフェンスはズレている状態です。
そりゃあボールは取れません。笑
例えば、サイドの旗手選手へ簡単にボールをつなぎ、旗手選手がサイドでドリブルを仕掛けていく回数が多かったです。
大分トリニータも旗手選手を警戒していたはずですが、ディフェンスがズラされているので、状況が良い旗手選手にボールが渡り、チャンスを多く作られていました。
トラップに注目すると分かります。
足元に、「ピタッと」止めているシーンって全体の2割程度じゃないでしょうか。
数えてみると、17回のトラップシーンの内、4本しか足元にピタッと止めていません。
驚愕ポイント④ 連動性が抜群!「スペースを作る・使う」
フットサルでは、
選手間での「スペースを作る・使う」の関係性が非常に重要です。
これは、主にボールを持っていない選手の動きとして考えられます。
※ボール持っている選手とボールを持っていない選手の2人でも考えることができますが、今回は分かりやすくボールを持っていない選手同士の関係で書きます。
以前、関連する記事も書きました。
パスの受け手が行うプレーの一つです。
もちろんサッカーでも重要で、
川崎フロンターレの選手は、スペースを作る・使うを流れるように行っていて、
ディフェンスは嫌だろうな~と思って見ていました。
例えば、サイドにいるMF旗手選手がセンターに斜めに走ると、DF登里選手が旗手選手が空けたスペースに走り込んでいき、家長選手から登里選手にパスが渡る。
というような、連携が多く見られました。
旗手選手に対してのディフェンスからしたら、旗手選手についていくとサイドのスペースを空けてしまうし、
ついていかないと、センター付近で旗手選手にボールを持たれてしまいます。
どちらを選択しても、ディフェンスにとっては嫌だな~と思いながら見ていました。
ここでは、1つの例を挙げましたが、
川崎フロンターレの選手のすごいところは、このスペースを作る・使うを、
複数の場所で同時的に、連続的に、絶え間なく繰り返していることです。
例えば、青①が斜めに中に入って動きに合わせて、、、
青②が、青①が空けたスペースに走るというような連動性が、いくつも同時的に起きていました。
ポイントとしては、
複数の箇所で、同時に起きていることです。
そうなると、ディフェンスとしては、誰が誰をマークして良いか分からず混乱が起きて、
気づけば、FW小林選手がドフリーでボールを受けています。
超嫌ですよね。笑
小林選手がシュートを打つ前の、他の選手の関わりを見ると、
いかに絶え間なく動いているのが分かります。
ディフェンダーの登里選手がゴール前からパスをしていることから、
選手が前線のスペースを有効に活用しているのが想像できます。
驚愕ポイント⑤ 攻守一体のサッカー
天皇杯見たとき、
川崎フロンターレの守備の強度の高さも印象に残った。
攻撃から守備へ切り替えて、球際に強さを出して、
奪った後の攻撃へのエネルギー。
ボール奪取を予測して右サイドを駆け上がる選手。
こういった所に強さを感じた。pic.twitter.com/lgYNnsNq5u— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) December 29, 2021
川崎フロンターレの印象は、攻撃的な印象でしたが、
「攻守一体」で攻撃的であることが分かりました。
ボールを奪われた瞬間、ものすごい勢いで奪い返しにいきます。
そして、球際も激しくぶつかり、さっきまで綺麗にボールを繋いでいたとは思えなかった。笑
守備も強度高くできる川崎フロンターレの強さを感じました。
この試合は負けましたけど。笑
この攻守一体が可能な理由を考えると、これもまた驚愕でした。
驚愕ポイント⑥ 選手の距離感(位置関係)が抜群に良い
川崎フロンターレの選手同士の距離感が抜群に良いです。
よく見ると、川崎フロンターレの選手が細かく動いているのがわかります。
適切な場所、距離を取ることを絶え間なく行っています。
「どこのスペースに」「どんなタイミングで」
動いているかに注目して見ると、分かりやすいです。
その結果、ボールフォルダーは素早くパスコースを見つけれらると思います。
そして、適切な場所にいることで、
ボールを奪われても、すぐにプレッシャーをかけられる位置にいることにもなっていました。
選手間が遠すぎると、守備に切り替わったときに、プレッシャーをかけることが遅れてしまいます。
逆に近すぎると、一気に2人3人とドリブルやパスで交わされてしまいます。
川崎フロンターレは、ボールを奪われてもすぐに奪い返しにいけるということは、
選手間の距離が適切であることを示していました。
文章では簡単に書いていますが、実際には相当難しいです。
フットサルでも、「守備バランス」といって、攻撃している際、ボールを奪われたときに備えて、選手の配置をコントロールします。
サッカー11人と比べて4人のフットサルでも、適切な位置にいられないと、
大カウンターを受けることが多くあります。
川崎フロンターレの選手の攻守一体のスムーズさを見て、
11人で何でこんなにスムーズなんだ!?
と驚愕しました。笑
まとめ 「予測能力の高さ」がずば抜けてる!!
川崎フロンターレの選手の驚愕ポイントを挙げてきましたが、
選手たちがここまで質の高いプレーをできる1つの要因として、
予測能力の高さだと感じました。
選手そのものの能力の高さはもちろんあり、
さらに、フロンターレというチームのプレーモデルと言われるチームの約束事(原則)が各選手に浸透していることで可能になっているサッカーだと感じました。
ただ単に上手い選手が集まっただけでなく、
上手い選手が各ポジションの役割を全うしている、とても良いチームでした。
上手さと強さはもちろん、
チームのために走って守備も頑張る献身性もあるから、
多くの人を惹きつけるのだと思いました。
今後も、川崎フロンターレのサッカーに注目です!!
余談ですが、川崎フロンターレは試合外のイベントも充実している印象でした。
今回は、天皇杯ということで、ホームイベントは無かったので、
次回は、ホームゲーム観戦でイベントにも参加したいなと思いました。
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クライフの名言。
この言葉ほんと好き。「能力のないプレーヤーほど、他人のミスを責めたがる」
「フィールドで真にリーダーたるものは、誰かがミスをしたとき素早く頭を働かせ、次のプレーに備えるのだ」
— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) February 20, 2019