こんにちは。リガーレの米谷です。
・関東フットサルリーグ得点王、ベスト5受賞
・地域チャンピオンズリーグ得点王
・フットサルチーム監督、指導
・フットサルクリニック開催(不定期)
※プロフィールは記事投稿時点のもの
この記事ではフットサルのコーナーキックで得点力を上げるポイントについて、守備の初期配置から考えていきます。
守備の初期配置から、相手の弱点をある程度予測ができ、弱点が分かることで得点力を上げることができます。
ここでいう相手の弱点とは、
相手の弱点=攻撃する時に有効なスペース
です。
この記事を読んでもらえれば、相手の守備はどこが弱いのか(どこのスペースが有効なのか)想定できるようになります。
初期配置から見る有効なスペースへ配給。にしても、すんごいボレーシュート。pic.twitter.com/qnUInZ0C4Z
— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) December 7, 2021
前提としてコーナーキックは、
- ダイレクトプレー(ボレーシュートなど)
- 複数のパスを組み合わせる方法
上記の2つに大きく分かれ、難易度が違います。
パスの本数が増えるほど難易度は高くなります。
今回は、ダイレクトプレーで得点力を上げるポイントとして守備の初期配置における弱点についてお伝えします。
ディフェンスの弱点はどこ??
有効なセットプレーを考える時、必ず相手を考えなければいけません。
相手のディフェンスの弱点を探し、弱点に対して有効なセットプレーを考えましょう。
相手守備の弱点を探すうえで、
「有効なスペースがあるのはどこか?」
「パスの通り道はどこか?」
を見つけることが大きなポイントになります。
コーナーキックの時、クイックスタートでなければ、
守備は整った陣形を組むことがほとんどであり、
ボールが蹴られる前に整った陣形のことを、
「初期配置」
と、言います。
ディフェンスの初期配置からわかる弱点は?
弱点を探すときに、まずは「初期配置」と言われる、ディフェンスが最初に立っている位置を見ることが重要です。
ディフェンスが最初に立っている位置を見ることで、有効なスペースやパスの通り道をある程度想定することができます。
今回、例として3つの配置を紹介します。
① 初期配置「2-1-1」
日本では、2-1-1の初期配置が圧倒的に多いです。「Y字」と表現する人も多いですね。
初期配置「2-1-1」は、
- ゴール前(特にペナルティエリア内)を重点的に守れる
- 複数ラインを形成しているため、幅を広く守れる
- 複数ラインを形成しているため、インサイドへのボールが守りやすい
という、特徴があります。
「2-1-1」の配置上の弱点
①「大外(ペナルティエリア外)」
大外(ペナルティエリア外)に対して、守備面の不安を抱えます。
この図のように、大外(ペナルティエリア外)のスペースが空いており、
浮き球でのパスや守備と守備の間へのパスで大外の選手にパスが渡ると、ピンチになりやすいです。
②初期配置「2-1-1」に対して有効なパスの通り道
図のように、複数の守備ラインを形成しているため、いわゆる選手の間に「すき間」ができます。
すき間がパスの通り道になるので、「どこのすき間が大きいか?=パスの通り道が大きいのはどこか?」を見つけると攻略の糸口が見えます。
チームによって、すき間が大きいところが異なってきます。
例えば、図でいうと青の守備②がもう少し外側に立つとインサイドのすき間は大きくなりますし、
青の守備③が大外を気にして少し外側に立つと、青の守備①と青の守備③のすき間は大きくなります。
初期配置を見て、どこの「すき間」が大きいかを見つけましょう。
② 初期配置「2-2」
よく「ボックス」と表現される配置です。2-2の配置も2-1-1配置の次に多い印象です。
ここでは割愛しますが、「3ゾーンDF+1マンツーマンDF」の時も、2-2ボックス型に近いような配置になることもあります。
初期配置「2-2」の特徴は、
- センターレーンの大外(ペナルティエリア外)へのパスへ対応しやすい(ボレーシュート対抗)
- カウンターアタックへ移行しやすい
であり、初期配置2-1-1よりも攻撃的な配置になります。
初期配置「2-2」の配置上の弱点
- ボールの始点から逆サイドの大外に弱い
- インサイド(ペナルティエリア内)にすき間(パスの通り道)が作られやすい
上記が挙げられます。
この図のように、ボールから見て手前のスペースと真ん中のスペースに対しては強いですが、逆サイドレーンの大外の対応が弱点になります。
③ 初期配置「1-2-1」
日本ではあまり見ない、海外リーグでたまに見かける配置です。
初期配置「1-2-1」の特徴は、
- インサイドの特に真ん中のスペースを重点的に守る
- ボールを始点に見ると、特に真ん中から逆サイドの大外の対応がしやすい
上記のように、センターを重点的に守る配置です。
弱点は、ボールに一番近いディフェンスが1人しかいないので、ボールサイドのスペースが大きくなります。
ボールサイドからの強いシュートの機会を与えてしまう可能性が高いです。
また、真ん中のスペースが責任の所在が曖昧になり、弱点になりやすいです。
以上で、大きく3つの初期配置の特徴と弱点をお伝えしました。
もちろん、他にも様々な初期配置があります。
Fリーグのペスカドーラ町田は壁2枚を近づける配置をすることが多いです。
壁が2枚近づくことで、インサイドへのボールを入れさせないようにしています。
大外への対応は他の選手が自信をもって行うことが想定されます。
では、この初期配置に対して有効なスペースはどこにあるでしょうか?
是非、考えてみてください。
大事なことなので繰り返します。笑
僕が伝えたいことは、初期配置を見ることで、攻撃の時に有効なスペースをある程度想定することができるということです。
そして有効なスペースへ、「どのようなパスの通り道(すき間)があるか」を見つけることです。
守備の初期配置に対して有効な攻撃の初期配置は?
守備の初期配置から有効なスペースやパスを通すすき間についてはわかったけど、じゃあ実際どうするのよ??
って思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。笑
そこで、あくまでも案ではありますが、今回お伝えした守備の初期配置に対して、有効な攻撃の初期配置をお伝えします。
攻撃の初期配置を考えるポイントは、かみ合わせを少なくする!です。
かみ合わせってなんだ??と思う方も、実際に初期配置を見てもらうとわかりますので、このままお読みください。笑
①初期配置「2-1-1」に対して有効な攻撃の初期配置
例①:縦並び
図のように、縦に並びます。こうなると、守備側は混乱します。
守備の青①はすき間のパスコースへの警戒はできますが、あまり関与できなくなります。
守備の青②はインサイドへのすき間のパスコースの警戒と大外のパスコースを警戒できますが、背後のスペースに対しては関与が難しくなります。
守備の青③と青④は赤の3人を見ることはできますが、3対2が生まれているため誰かしら空くことになります。
守備の初期配置とズラすように初期配置を設定することで、ボールが出る前から優位性を作ることができます。
では、別の初期配置も見てみましょう。
例②:手前1人+大外2人
この図も同じように考えることができます。
攻撃の赤②は守備の青②とかみ合っていますが、攻撃の赤③と④は守備の青④の外側にいます。
この時点で、かみ合わせはズレていて、2対1が生まれています。
さらに、2ー1-1に対して有効な逆サイドの大外のスペースを使うことができます。
②初期配置「2-2」に対して有効な攻撃の初期配置
例①:横並び
図を見て分かる通り、攻撃の赤④が空きます。
この場合、守備の青③と④は赤④に対しての守備対応に迷いが生じます。
他にも、守備の青②が赤②を警戒して近寄ると、赤③へのパスのすき間も生まれます。
実際には、ここから動きが入ってくるので、さらに混乱させることができます。
例②:大外1人+インサイド2人
図からわかる通り、守備の青③に対して2対1の数的優位が生まれています。
さらに、守備の青②が赤②を警戒して近寄ると、インサイドへのパスコースのすき間が生まれます。
この場合、守備の青④はどのように対応するのでしょうか。笑
僕なら、守備の青④は攻撃の赤④の見える位置まで下がらせるかもしれません。
③初期配置「1-2-1」に対して有効な攻撃の初期配置
例①:手前1人+大外2人
初期配置「2-2」でも紹介した配置です。
守備の青②と③でインサイドを固めてくるので、彼らを無視しました。笑
大外に2人置けば、守備の青の④に対して2対1ができます。
さらに、攻撃の赤②に対して守備の青①が対応するのか、青③が対応するのか迷いが生じます。
例②:三角形
守備の初期配置にかみ合わないように配置すると三角形になります。
攻撃の赤②に対して、守備の青①と青③は迷いが生じます。
青①が赤②を警戒して近寄れば、赤③へのパスコースが空きますし、青③が赤②を警戒して近寄れば、赤④へのパスコースが空きます。
赤③が浮いている状態ですので、ここから動きを加えると、有効なバリエーションが複数生まれます。
以上、守備の3つの初期配置に対して有効な攻撃の初期配置を紹介しました。
他にも、最初は初期配置を守備の初期配置に合わせて、4秒カウント内でピッチ内の選手が動くことで、守備の初期配置とのズレを生み出すことも行います。
↓↓↓下記は動画になっています↓↓↓
インサイドの攻防と動き出しのタイミング。
にしてもボレー上手い。笑pic.twitter.com/8ZAFWNlUzT— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) December 10, 2021
このように、動きを組み合わせると無限のバリエーションが生まれます。
この話をすると、さらに奥が深くなってしまうので、別記事で書こうと思います。笑
今回はわかりやすく、初期配置のみで考えました。
まとめ ディフェンスの初期配置から弱点を考えよう!
今回は、初期配置から考える守備の弱点をお伝えしました。
コーナーキックからの得点力を上げるポイントの1つになります。
とはいっても、守備が動かないわけではありませんので、攻撃側に合わせて動いて対応してきます。
初期配置を見るだけでは難しいことも多いと思います。
次回は、守備のタイプ(マンツーマンなど)によって効果的な攻撃方法をお伝えします。
コーナーキックの全体像についてはこちらの記事で紹介しています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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クライフの名言。
この言葉ほんと好き。「能力のないプレーヤーほど、他人のミスを責めたがる」
「フィールドで真にリーダーたるものは、誰かがミスをしたとき素早く頭を働かせ、次のプレーに備えるのだ」
— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) February 20, 2019