フットサル|コーナーキックの得点力を上げるポイント-全体像編-

こんにちは。リガーレの米谷です。

・リガーレヴィア葛飾(FリーグDiv2)No.14
・関東フットサルリーグ得点王、ベスト5受賞
・地域チャンピオンズリーグ得点王
・フットサルチーム監督、指導
・フットサルクリニック開催(不定期)
※プロフィールは記事投稿時点のもの

フットサルでよくあるシーンとして挙げられるのが、コーナーキックやキックインなどのセットプレーですが、なかなか上手く得点に結びつけらないことが多いのではないでしょうか。

✓セットプレーの練習をしているのに、点が入らない
✓セットプレーからボールを奪われてカウンターを受けてしまう
✓セットプレーの動き方がわからない

こういった悩みを持つチームやプレーヤーに向けて、セットプレーの中でもコーナーキックにフォーカスして得点力を上げる大事なポイントを解説していきます。

この記事では全体編として、まずはコーナーキックの全体像と一番大事なポイントを解説していきます。

関連記事:コーナーキックの得点力アップ!守備の初期配置を確認しよう

セットプレーはタイミングが命!

私がセットプレーにおいて一番大事にしているのはタイミングです。

①キッカーはいつボールを蹴るのか
②ピッチ内の選手はいつボールを受けるのか

この2つのタイミングを揃えるとセットプレーの効果が上がります。

 

コーナーキックの流れを時系列で表すと、

プレーが始まる起点:ボールがピッチ外に出る前(ボールアウト前)の状況

キッカーのタイミング:ボールアウトからボールを蹴る瞬間まで

ピッチ内の選手のタイミング:ボールアウトからボールに触れる瞬間まで

 

時系列の中で、キッカーとピッチ内の選手がタイミングを合わせることで、セットプレーの得点率が格段に上がります。

タイミングを合わせるために、チームとしても個人としても意識すると良いポイントがあり、このシリーズを通して上手くいくポイントやタイミングの重要性を解説していきます。

コーナーキックの全体像(構造)

まず、そもそもコーナーキックってどんな構造なの?ということを整理したいと思います。

視点 コートの角から
ボールの高さ 0m
ボールの位置 ポストから約8.5m(フルコートサイズの場合)
数的関係 4対5(オフェンス対ディフェンス)
ピッチ内の数的関係 3対5(同上)
キッカー 他者が触るまで一度しか触れない
キーパー ペナルティエリア内は手が使える
ルール1 ディフェンスはキッカーから5m離れる
ルール2 4秒以内にスタート
ルール3 ピッチ外に一人しか出ることができない

キッカーを除けばピッチ内は攻撃側が数的不利なので、数的関係ではオフェンス側が不利ですが、気を付けたいのはコーナーキックはチャンスという認識を持っている方が多いということです。

 

オフェンスが不利という認識を持つと「じゃあオフェンス側の強みは何だろう?」という考えが生まれ、細かい部分でのこだわりが出てきますので、全体像から押さえておくことをおすすめします。

コーナーキックのオフェンス側のメリット

一番のメリットはディフェンスの先手を取ることができることだと考えます。

そのうえで3つのメリットを挙げます。

メリット① タイミングを合わせやすい

キッカーがボールを置いて、ボールが止まった状態から始めることができるため「せーの」でタイミングを合わせることができます。

また、始まる場所(コートの角)が決まっているため、受け手は予測からディフェンスよりも早く動くことができ、キッカーも合わせることができます。

 

ボールがどこから始まるかわからない状態では、ピッチ内の受け手もどのように動いてよいかわかりませんよね。

「ボールが止まった状態から始まる」ことと「始まる場所が決まっている」ことで、オフェンス側は自分たちの有利なタイミングでコーナーキックを開始でき、常に先手を取ることができます。

メリット② ゴールに近い場所でプレーできる

コーナーキックはゴールまで約8.5mの距離から開始することができ、さらにキッカーからのパスが成功すれば、PA内からシュートを打つことも可能です。

 

また、基本的にボールを扱うことは簡単ではありません。

ゴールに近い場所で、ゴールの真横から飛んでくるボールに対して、ディフェンス側もボールを上手く扱うことは簡単ではありません。

 

身体の向きから考えてもオフェンス側はゴール側を向いていくことが多く、ディフェンス側は自分たちのゴールを背中側に置かないと対応が難しくなります。

「ゴールに近いこと」によって「ボールを扱うことは簡単ではないこと」「身体の向きがゴール側に向いている」ことも作用し、オフェンス側のメリットは大きいといえます。

メリット③ チームで同じ絵を描きやすい

私はチーム全員で同じ絵を描きましょうと伝えていますが、ゴールを取るまでの人とボールの動きをチーム全員が同じように考えていればとても有利になります。

ディフェンスしているチームは、オフェンスが描いている絵がわからないので対応が後手になりますよね。

 

インプレー中も同じ絵を描きながらプレーすることが大切ですが、状況が目まぐるしく変化する中では簡単ではありません。

しかしセットプレーは「ボールが止まっている」ことと「4秒以内にボールを蹴る」というルールによって、止まった状態から動き出すことができます。

 

止まった状態かつ時間を与えられている状況ならば、チーム全員が同じ絵を描きながら動き出す難易度がインプレー中よりは下がります。

ですので、サインプレーなどあらかじめデザインされたプレーをチームで用意しておくことが、セットプレーでは重要になります。

コーナーキックのオフェンス側のデメリット

デメリット① カウンターを受けやすい

「キッカーが角にいること」と「オフェンス側はゴール(前を)を向いている(ディフェンスは向かい合っている)ことが多い」ことから、キッカーからのボールをカットされてしまうと、カウンターを受けやすくなってしまいます。

キッカーは蹴った後にすぐインプレーに移行する必要があります。

デメリット② 背後に大きなスペースを与えてしまう

デメリット①と繋がりますが、ゴール前でのプレーということはオフェンス側の背後には大きなスペースが出来てしまいます。

 

大きなスペース=走るスペースが大きい=スピードに乗れることで、相手に精度の高いカウンターを受けやすくなります。

 

キッカーからボールが蹴りだされた後のオフェンスの判断(ボールをカットされたら、即奪い返すのか撤退するのか)が重要になってきます。

デメリット③ 数的不利にされやすい

コーナーキックの構造で整理した通り、そもそもピッチ内で考えるとオフェンス側は数的不利な状況です。

ディフェンス側に上手くマークされてしまうと、パスコースが無くなったり、パスカット直後に局面で数的不利が生じてしまう可能性が高いです。

 

オフェンス側は数的不利にならないように、動き直しやブロックなどの微調整を続ける必要があります。

チームで意識すると良いポイント

続いてコーナーキック時にチームで意識すると良いポイントを整理します。

①切り替えを早くする(予測)

まず切り替えを早くします。切り替えを早くするために予測します。

 

例えば、味方がシュートを打って、相手の足に当たってゴールライン方向にボールが飛んでいくようなシーン。

ボールがピッチ内にあっても明らかに外に出る可能性が高い時から切り替えの準備をしておけば、相手よりも早く動けるので良い状態でプレーすることができます。

 

まず大前提として切り替えを早くしましょう。

②優先順位を決める

次にチームの優先順位を決めておくと良いです。

ボールが外に出たときにチームとして思い描くプレーを決めておくと良いと思います。

 

例えばコーナーキックになったら「一人はゴール前に走る」「サインプレーをやる」など、チームである程度何をするのかを決めておくと混乱が少なくなります。

セットプレーはピッチ内が数的不利な状況なので、混乱してしまうと一気に失点のリスクが上がります。

③サインプレーを用意する

サインプレーをいくつか用意しておきましょう。

セットプレーの良いところは「4秒カウントの間にピッチ内の選手が自由に動けること」にあります。

 

せーの、で合わせて動けることができ、相手の対応よりも早く動くことができます。

サインプレーがあると、攻撃の幅が広がるので、用意しておくことをお勧めします。

キッカーが意識すると良いポイント

次にコーナーキックでキッカーが意識するポイントを整理します。

キッカーのポイント① 切り替えを早くする

切り替えを早くする部分はチームが意識するポイントと共通です。

キッカーのポイント② ピッチ内の選手の状況を見る(予測する)

ピッチ内の選手の状況を見るとは、ピッチ内の選手がクイックでゴール前に走っているかもしれませんし、相手守備の位置につくのが遅れているかもしれません。

 

ゴールチャンスがあれば、キッカーはいち早くパスしてあげたほうが楽ですし、相手守備の切り替えが早ければ、落ち着いてサインプレーに切り替えることも必要です。

ピッチ内の選手の状況を見ることはとても重要です。

 

私はキッカーをすることが多いですが、ボールが外に出たらクイックリスタート選択する時以外はボールをあまり見ません。

ボールを拾いに行く間に、ピッチ内の状況を最大限見るようにしています。

 

相手守備の位置、味方の位置、どこにスペースが大きく空いているか、パスコースはどこが広いか。出来るだけ情報を得るためにピッチ内を観察します。

ピッチ内の選手が意識すると良いポイント

次にコーナーキック時にピッチ内の選手が意識するポイントを整理します。

ピッチ内の選手のポイント① 切り替えを早くする。

①は言うまでもありません。

切り替えがディフェンスより早ければ、ボールを受けられる確率は高まり、チャンスは増えます。

ピッチ内の選手のポイント② 相手の状況を見る

キッカーのポイントと一緒ですが、相手守備の状態を見て、クイックリスタートするのか、サインプレーにするのかの判断基準になります。

相手がどういう状況なのかピッチ内の各選手が見るようにすれば質は格段に上がります。

 

気を付けたいことはサインプレーという決め打ちされたプレーを準備すると、相手のことを考えずにサインプレーをやることが目標になってしまうことです。

そうなると機械的な動きになってしまい、相手に対応されてしまいますので注意が必要です。

ピッチ内の選手のポイント③ ボール(キッカー)の状況を見る

キッカーが蹴れる状態でなければ、いくら先に動いても意味がありません。

相手守備の対応より先に動いても、キッカーがボールを持っていなければパスは来ないので、結局相手守備に対応されてしまいます。

その場合はサインプレーに移行したほうが、焦ることなく余計な混乱を防ぐことができます。

まとめ クイックリスタート→サインプレーの順番で考えよう!

今回はコーナーキックの一番重要なポイントと全体像について解説しました。

 

セットプレーの一番のポイントはタイミングとお伝えしましたが、タイミングを合わせることができるならクイックリスタートが一番楽で簡単です。

なぜなら、相手の守備が整うこともなく、自分たちも準備をして整える必要がないので、手間が少ないからです。

 

次にサインによるセットプレーをやりましょう。

サインによるセットプレーは、用意ができる点でオフェンス側のデメリットに対して対策を立てられます。

カウンターを受けないような動きや、パスの種類などを予め用意することができますし、相手の予測を上回る動きを作ることもできます。

 

クイックリスタートもサインプレーも状況に合わせた最適な選択がありますので、予測をしながらプレーしてみてください。

今回は全体像をお伝えしました。

関連記事:コーナーキックの得点力アップ!守備の初期配置を確認しよう

 

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