ベルギーのプロサッカー最上位リーグ「ジュピラー・プロ・リーグ」に所属するシント=トロイデンVV。日本人選手を多く抱えるチームとしても有名です。現に2025年8月時点でシント=トロイデンVVには7人の日本人選手が所属しています。
今回はシントトロイデンVVに日本人選手が多い理由などを紹介します。
シントトロイデンVVに日本人選手が多い理由は?

シントトロイデン に日本人選手が多い理由は、まずベルギーリーグが日本人選手にとって都合がいいリーグであることが挙げられます。
ベルギーリーグは、他の国のリーグには多くある「外国人枠」というものがなく、ベルギー国内で育成された選手を最低6人トップチームに登録しておけば、後のチーム編成は自由という特徴があります。そのため、他国と比較して外国人選手がプレー機会を得やすいリーグなのですね。
加えて、日本人選手がJリーグから欧州5大リーグを目指すうえで、ベルギーリーグはJリーグとさほどレベル差があまり大きくないとも言われており、ステップアップに適切だという事情もありますよ。
親会社が日本企業のDMMグループであることも大きい
2017年に日本のECサイトを運営するDMMグループが、日本企業として初めて欧州クラブであるシントトロイデンVVの経営権を獲得しました。
この買収には日本サッカーの欧州拠点化というコンセプトがあり、必然的に日本人選手も増えています。過去には本田圭佑選手がオーストリアのクラブを買収したケースもありますが、DMMグループは大企業であることもあってシントトロイデンVVでかなり安定したチーム経営をおこなっているようです。
かつてオーストリアのザルツブルクの日本人選手も多かったものの、ベルギーリーグの中でも特にシントトロイデンVVに日本人選手が多い理由はここにあるのです。
DMMは、なぜシントトロイデンを買収した? 同社取締役が語る真意 – footballista | フットボリスタ
シントトロイデンVVに所属している日本人選手
シントトロイデンに日本人が多いのはなぜかについて紹介しましたが、ここからは2025年8月時点で実際にシントトロイデンVVに所属している日本人選手について紹介していきます。
小久保玲央ブライアン
かつて世代別日本代表にも名を連ねていたGKの小久保玲央ブライアン選手は、2024年7月にポルトガルの強豪ベンフィカから完全移籍でシントトロイデンVVに加入しました。ベルギーリーグ初年度となった2024/25シーズンは主力として33試合に出場。ベルギーの地から日本代表選出を虎視眈々と狙っています。
畑大雅
湘南ベルマーレでブレイクして2025年6月よりシントトロイデンに加入した畑大雅選手は、ヨーロッパ初挑戦ながらも主力のDFとして開幕から4試合連続でスタメン出場中。開幕戦ではアシストも記録しており、早速自身のプレーがベルギーでも通用することを証明してくれました。
谷口彰悟
2024年シーズンよりシントトロイデンに加わった日本代表DFの谷口彰悟選手は、外国人でありながらクラブ内ではキャプテンを務めるほど全幅の信頼を寄せられています。カタールW杯にも出場した谷口彰悟選手は、その持ち前の経験値と人柄で日本代表を引っ張る役割を担っていました。そうしたキャプテンシーがシントトロイデンでも高く評価されているようです。
山本理仁
続いて紹介するのは山本理仁選手です。現在23歳、ポジションはミッドフィルダーです。
2019年、高校二年生ながら東京ヴェルディのトップチームに昇格し、同年にトップデビューを果たした実績を持つ山本理仁選手。2022年にガンバ大阪へ完全移籍しましたが、2023年よりシントトロイデンVVへ期限付き移籍で加わることに。その後、完全移籍に移行して現在はシントトロイデンで3シーズン目を迎えています。
伊藤涼太郎
アルビレックス新潟でブレイクした伊藤涼太郎選手は現在27歳、2023年6月にシントトロイデンに加入しており、現在は山本理仁選手同様にシーズン3年目を迎えています。
2016年、チーム5年ぶりの高卒ルーキーとして浦和レッズに入団した伊藤涼太郎選手は、水戸ホーリーホック、大分トリニータ、アルビレックス新潟でのプレーを経験し、2024年には日本代表にも選出されました。
後藤啓介
現役高校生でプロデビューし、ジュビロ磐田の最年少ゴール記録保持者である後藤啓介選手は、当時18歳だった2024年にベルギーの強豪・アンデルレヒトに移籍しました。アンデルレヒトではセカンドチームでのプレーが多かったものの、2025年シーズンから期限付き移籍でシントトロイデンに加入。ポテンシャルの高い大型FWとしての活躍が期待されています。
松澤海斗選手
Vファーレン長崎でその名を轟かせた24歳の松澤海斗選手は、2025年7月にシントトロイデンへの完全移籍が発表されました。左ウイングの位置から切れのあるドリブルで相手ゴールに突き進むプレースタイルでJリーグを沸かせた生粋のドリブラーが果たしてベルギーの地でどこまで活躍することができるのか、今シーズンの注目選手の1人と言えるでしょう。
出典:DAZN JAPAN
直近で退団した日本人選手
では次からは直近数年でシントトロイデンを退団した日本人選手を見ていきましょう。
鈴木彩艶
最初に紹介するのは鈴木彩艶選手です。現在22歳、AFCアジアカップ2023で正キーパーを務めるなど日本代表としても活躍しています。
2021年より浦和レッズで活躍していましたが、2023年8月にシントトロイデンVVに期限付き移籍。シントトロイデンVVでは正GKとして活躍すると、シーズン終了後にそのパフォーマンスが評価されてイタリアの古豪パルマに2024年7月より完全移籍で加入しています。イタリアでも非常に評価は高く、日本代表史上屈指のGKとの呼び名も高いようです。
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小川諒也
続いて紹介するのは小川諒也選手です。現在27歳、ポジションはディフェンダーです。
2015年よりFC東京で活躍、2022年5月よりポルトガルのヴィトーリアSCに期限付きで移籍しました。2023年6月から、今度はシントトロイデンVVへと期限付き移籍。その後完全移籍に移行してシントトロイデンVVでは2シーズンプレーしました。2025年シーズンからは鹿島アントラーズへと移籍しています。
藤田譲瑠チマ
将来有望なボランチとして注目されている藤田譲瑠チマ選手は、2019年より東京ヴェルディトップチームに2種登録され、同年にトップチームデビューを果たすとその後徳島ヴォルティス、横浜F・マリノスへの移籍を経て、2023年7月にシントトロイデンVVへ完全移籍。2シーズン在籍したシントトロイデンVVでもその才能の片鱗を見せるプレーを随所で披露し、2025年シーズンからはかつて宮市亮選手も所属したドイツのザンクトパウリへと移籍しました。
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岡崎慎司
最後に紹介するのは岡崎慎司選手です。南アフリカ大会、ブラジル大会、そしてロシア大会とW杯を三度戦ったレジェンドフォワードは、2022年8月から2024年6月までシントトロイデンVVでプレーしていました。
シントトロイデンVVではわずか1得点のみに止まりましたが、これまでの経験値により磨き上げられたゴール前の嗅覚を発揮し、若手選手たちの素晴らしい手本としてチームを牽引。そして多くのサッカーファンに惜しまれながら、2024年6月限りで自身のサッカーキャリアの幕を引きました。
最後に
今回はシントトロイデンVVに日本人選手が多い理由などを紹介しました。毎年のようにシントトロイデンVVに所属する日本人は入れ替わりのような形でシャッフルされていますが、その中でも欧州5大リーグへとステップアップを果たす選手も少なくありません。
今後も新たに日本人選手を獲得していくと思われるシントトロイデンVV。これからの動向に要注目です!