こんにちは。リガーレヴィア葛飾の米谷です。
・関東フットサルリーグ得点王・ベスト5
・地域チャンピオンズリーグ得点王
・監督・指導実績も有 / 不定期でフットサルクリニック開催
※プロフィールは記事投稿時点のもの
フットサルでのプレー(ドリブル)中に、こんな風に悩んだことはないでしょうか?
✓どこにドリブルしていいかわからない
✓ボールが前に進まない
また、ドリブルしている味方選手にどうやってサポートしたら良いか、動き方がわからないといったこともないでしょうか?
今回は、ドリブルが苦手な人でも、簡単に実践できて局面を打開できるようになる【割るドリブル】を解説します。
✓様々な局面でプレーできるイメージが広がる
✓フィニッシュシュートまで行いやすくなる
✓味方からパスを簡単に受けられるようになる
今回は前編として、ドリブルしている人(ボールを持っている人)に注目して説明します。
前提:3種類のドリブルパターン(割るドリブルはどれ?)
僕はドリブルを下記の3種類に分けて考えています。
1.突破のドリブル(レガテ)
一般的に想像できるドリブルのことです。
例えば、サイドの1対1で相手のディフェンスラインを突破するドリブルです。
2.運ぶドリブル(コンドゥクシオン)
突破はしないけれどもドリブルして移動しながら局面を変えるドリブルです。
例えば、サイドから真ん中にドリブルで運ぶような時を指します。
3.時間を作るドリブル(テンポライズ)
「さらし」とか「パウサ(止める)」とか言われるようなドリブルです。
突破も運びもしないけれども、相手と正対して時間を作るドリブルのことを指します。
本記事で解説していく割るドリブルは、運ぶドリブルの中に分類されることが多いです。
割るドリブルとは?
その名の通り、相手ディフェンスの間をドリブルで割って侵入していくことです。
ドリブルする選手が自身へのディフェンスと他のディフェンスの間のスペース、又は他のディフェンスに向かうことで、局面を打開するドリブルです。
悔しいシーンですが、東京オリンピックの日本-スペイン戦から参考動画を。
アセンシオ選手のゴールはもちろん凄かった!
同じように上手かったのが、アシストしたオヤルサバル選手の割るドリブル!
ディフェンスを迷わせた。
このドリブルがあったからアセンシオ選手がフリーになれた。pic.twitter.com/cKt6vsQA7f— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) August 7, 2021
アセンシオ選手のシュートも素晴らしいですが、注目はアシストしたオヤルサバル選手のディフェンスの間を縫うようなドリブルで、これが割るドリブルです。
オヤルサバル選手が自身へのディフェンスを抜くのではなく、別のディフェンスの間のスペースへドリブル。
すると、アセンシオ選手のマークをしていた中山選手がアセンシオ選手を外して対応。
アセンシオ選手はマークが外れた瞬間を狙いフリーでパスを受け、ゴラッソ!
アセンシオ選手のシュートも素晴らしいですが、このシーンはオヤルサバル選手の割るドリブルも素晴らしかったです。
次はフットサルの試合で行われているシーンから。
ディフェンスの間を縫うようにドリブルしてゴール前まで迫ってます。
こちらは、ボール持っていない選手がブロック(その後リターンを受ける)を行う事で、ピック&ロールという2人組の戦術で解決(突破)しています。
原理はほぼ一緒で、ドリブルでディフェンスの間のスペースに進入しています。
割るドリブルはどんなシーンで使う?
基本的には、ドリブルできるスペースがある状況の時に使います。
✓フィニッシュシュートまでいきたいとき
✓数的不利のとき
✓数的優位のカウンターのとき
知っていると使い勝手がかなり良いです。
割るドリブルのメリット
次に割るドリブルのメリットを整理していきます。
1.数的優位を作ることができる
ボールを持っている選手に対してのマーク以外のディフェンスが対応する(釣りだされる)ことが多いため、その際に数的優位の状況になることが多いです。
2.取り組みやすい
割るドリブルは特別なフェイントや技は必要ありません。
動画を見ても分かる通り、空いているスペースにドリブルしているだけです。
状況を見る事ができれば、誰でもできるようになります。
3.使える局面が多い(使い勝手が良い)
割るドリブルを知っていれば、局面を打開できる幅が広がります。
例えば、自陣でボールを持っているシーン
自分のマークとは違うディフェンスがいるスペース(この画像だと赤3の選手)に向かってドリブルすることで、
赤3のディフェンスはカバーリングにいくか、自分のマーク(この画像だと青3の選手)についていくか迷います。
他にも数的優位なカウンターのシーンで考えると、
青1は、自分のマーク以外のディフェンスへ割るドリブルをすると、
ディフェンス赤2は、どのように対応するか迷います。
その結果、短い時間ではありますが、青2と青1と赤1の2対1の数的優位の状況が生まれます。
割るドリブルで意識すること
それでは割るドリブルを活用するとき、どんなことを意識するか整理していきます。
1.焦らない
単純ですが、一番重要なポイントです。
「あ、ドリブルが大きくなってしまった!」
「囲まれてしまった!」
など、焦ってしまうと近くの味方を見失ってしまいます。
実は、自分のドリブルに釣られて、他の選手がフリーになっていることが多いのです。
まずは、どんな状況でも焦らないことが重要です。
2.ディフェンスの間のスペースにドリブルする。
空いているスペースにドリブルするように意識してみてください。
ディフェンスを意識するとどうしても、ディフェンスの対応を見てしまいますが、空いているスペースを確認しながらドリブルするように意識すると成功していくようになります。
3.カバーリングしてきた選手を意識する
ボールを持っているときに、自身に対する目の前のディフェンスだけを見てしまいがちですが、他のディフェンスの位置も見る意識を持ってみてください。
近くの味方やドリブルできるスペースを見つけやすくなります。
4.近くの味方を見つけておく
自身へのディフェンス以外のディフェンスを意識することと合わせてできます。
他のディフェンスを意識した時に、同じ視野内に味方がいるか確認するように意識してみてください。
味方を見つけておくことで、ドリブルで進めた時に、
①カバーリングで他のディフェンスが対応しない
→そのままドリブルで前進
②カバーリングで他のディフェンスが対応してきた
→他のディフェンスが対応していた選手がフリーになっているのでパス
という、選択ができるようになります。
割るドリブルの練習方法
続いて、割るドリブルの練習方法を紹介します。
個人練習:障害物(マーカー)バラバラ通り抜け
・内容
マーカーやコーンを適当に散りばめて、その間をドリブルで自由に移動する。
・時間
10秒から20秒ドリブル移動したら休憩(10秒から20秒)を繰り返す。
・ポイント
なるべくボールを見ないでスペースを見ながらドリブルする。
出来る人は、ドリブルしている間に後ろを見たり、首を振って周りを見る。
もっと出来る人は、リフティングをしながら、同じようにマーカーの間を移動していく。
このメニューは簡単にできる割に、ボールタッチや周りのスペースを見つけるエクササイズになるので、オススメです。
チーム練習:2対2+GK(ディフェンス条件あり)
シンプルなメニューだとこちらになります。
2対2+2GKで、コートサイズは20m×20mが目安。
条件①
ディフェンスは真ん中の線を越えて守備が出来ない
=縦割りのレーン内でしか守備ができないことになります。
条件②
オフェンスはボール持っている選手はドリブルでレーンを移動できる。
条件③
開始時(ボールアウト後も含む)は全てGKから。
時間は45秒から75秒が目安です。
オフェンス側は、ドリブルでレーンを移動することで、2対1の数的優位を作ることができます。
その時、2対1のディフェンスはカバーリングにいくのか、撤退するのか選択を迫られます。
また、ディフェンスがボールを持っている選手に対して中を切ってレーン移動させないなら、縦のドリブルコースが空くので、
駆け引きのトレーニングになります。
強度は高い方なので、プレー時間と休憩時間は調整する必要があります。
割るドリブルのまとめ
割るドリブルは、フットサルの多くの局面を優位にできるドリブルながら、特別なフェイントをする必要がありません。
どこにボールを運ぶのかさえ押さえれば、誰でもすぐ実践できます。
割るドリブルを実践すれば、多くの状況で狙いを持ったプレーができ、相手よりも優位な状況を生み出す事が出来ます。
是非試してみてください。
ではもう一度動画をご覧ください。
アセンシオ選手のゴールはもちろん凄かった!
同じように上手かったのが、アシストしたオヤルサバル選手の割るドリブル!
ディフェンスを迷わせた。
このドリブルがあったからアセンシオ選手がフリーになれた。pic.twitter.com/cKt6vsQA7f— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) August 7, 2021
ここまで読んで頂いた方は、空いているスペースにボールを運ぶだけで、決定的なチャンスを作り出しているのが分かるかと思います。
今回はドリブルする選手(ボールを保持している人)に注目して説明しました。
後編では、割るドリブルを行っている選手に対して、味方がどのようにサポートすれば良いのか、動き方を説明します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
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クライフの名言。
この言葉ほんと好き。「能力のないプレーヤーほど、他人のミスを責めたがる」
「フィールドで真にリーダーたるものは、誰かがミスをしたとき素早く頭を働かせ、次のプレーに備えるのだ」
— 米谷悟/フットサル選手/監督 (@satoru_legit) February 20, 2019
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