サッカーからフットサルへ競技転向するときの注意点とアドバイス

  • 2021年10月12日
  • 2023年1月24日
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こんにちは。リガーレヴィア葛飾の米谷です。

松井大輔選手のFリーグ参戦でもサッカーからフットサルへの競技移行時の難しさが注目されています。

そこでこの記事では、今の僕なら競技フットサルを始めたばかりの当時の自分にどんなアドバイスをするか。

サッカーから競技フットサルへの転向を考えていたり、競技フットサルを始めたものの苦戦しているプレーヤーが、どんなアクションしていけばいいか、僕自身の経験を基に解説していきます。

・リガーレヴィア葛飾(FリーグDiv2)No.14
・関東フットサルリーグ得点王・ベスト5
・地域チャンピオンズリーグ得点王
・フットサルチーム監督、指導実績有
・不定期でフットサルクリニック開催
※プロフィールは記事投稿時点のもの

参考:僕のサッカーでのキャリア

まず初めに、参考として僕がサッカーでどのような経験をして、プレーヤーとしてどのような立ち位置だったかを簡単にまとめます。

僕は小学校1年生から少年団でサッカーを始め、小学校4年から東京ガスFC(現FC東京)、中学校ではクラブチーム、高校では都立駒場高校サッカー部、大学ではサッカーサークルでプレーしてきました。

小・中学校はレギュラーでキャプテンを務めていて、小学校では都大会ベスト8、中学校では関東大会に出場。

高校時代は部員170人の中で一度もメンバー登録されることがなく、大学時代のサッカーサークルでは1年から試合に出場し、サークル日本一になったことがあります。

基本的に攻撃的なポジション、MFやFWでプレーし、中盤のポストプレーやパサーでシンプルなプレーをしていました。

競技フットサルを知った、移行したキッカケ

高校時代、部活以外でもトレーニングをしたいと思い、ネット掲示板でたまたまフットサルの誘い見つけて参加。

初めて体育館でフットサルした際に、スモールサイズのコートで攻撃も守備も激しく何回もできる感覚が楽しくてハマりました。

社会人の人が目標に向かって熱く取り組んでる姿を見て競技フットサルをやろうと思い、調べていくうちに関東フットサルリーグという、Fリーグ立上げ前の当時最高峰のリーグがあることを知り、高校卒業後、フットサルをちゃんと取り組みたいと思いました。

競技フットサルでとまどったことや困ったこと

サッカーからフットサルへ転向すると、よく言われるのが「迷子になる」ことだと思います。

フットサルに転向した元サッカー日本代表の松井大輔選手もインタビューで「プレーしているとき迷子になる。」と発言しています。

この迷子になることにも繋がりますが、実際に当時の僕がフットサルのプレー中に具体的にどんなシーンでとまどったか書いてみます。

①足の裏のトラップが最初はとまどった

フットサルをするまでは、足の裏でトラップする感覚は全くなかったので最初はすごくとまどいました。

サッカーはスパイクを履いているので、足の裏のトラップはボールが滑ってしまい積極的には行わないからです。

最初は「足の裏でトラップしよう!」と、トラップが目的というより目標になってしまい(笑)、トラップしたあとのプレーが全然できなくなってしまうこともありました。笑

②攻撃の時、その場に止まってしまいボールを失うことが多かった。

サッカーはポジション移動が少なく、フットサルのように流動的に人が動く感覚が無かったので、パスを出した後にその場で止まっていたり、狭い範囲での動きだけでパスを受けようとしてしまい、味方のパスコースが無くなったり、パスを受けてもすぐプレッシャーを受けてしまうこともありました。

③人数が少ないため、パスコースがすぐに無くなることにとまどった。

そもそもフィールドプレーヤーが4人しかいないので、パスコースがサッカーよりも少ないのにとまどいました。

一人でもパスコースから消えてしまうと「うわ!どこにもパスコースが無い!」と焦りが増します。笑

僕はフットサルを始めた当時、バリバリのドリブラーだったので、パスコースがなかったら抜けばいいやって思ってやってましたが、これはプレーしている環境や競技レベルに影響を受けるのでおすすめはしません。笑

④急な方向転換が多く、疲れやすかったり上手くターンできなかった。

とにかく攻守の切り替えが多くターン&ダッシュがサッカーよりも圧倒的に多いです。これがめちゃくちゃしんどい。笑

感覚でいうとバスケットボールをプレーしている感覚。

サッカーよりも狭いコートなので、攻守の切り替えに伴うターンが遅れると得点機会をすぐ失ったり、逆に一気に不利な状況になるので、必死に切り替えを意識しました。笑

関連記事:バスケットボールを見るとフットサルが上手くなる!!参考動画「ピック&ロール」

⑤マークを外す動き(フェイク)が上手くできなかった。

最初はなかなかマークが外れないんです。笑

サッカーだとマークを外す動きが大きな幅で動いたり、そもそも外す動きがいらなかったり、後はオフサイドがあることでマークを外す動きの角度がフットサルよりも制限されることもあります。

なのでマークを外す動きが最初は上手くできず、強い相手だとボールを受けることすらできなかった苦い思い出があります。笑

競技フットサルでもスムーズにできたこと

前項とは逆に、サッカーの経験が活きた、フットサル転向後もすぐにできたことなどをピックアップしていきます。

①フットサルコート全体を見渡せる感覚があった

これは自信を持って言えるのですが、サッカーをやっていた時のほうが明らかに広く見渡せていました。自分のゴールから相手のゴールまで割とはっきりと見渡せる感覚がありました。

サッカーの方がコートが広く人数も多いので、大きな範囲で情報を処理する能力が備わっていたのだと思います。

この感覚はフットサルで必ず活きてくるものだと思います。

フットサルを始めた当初はプレー環境レベルこそ違いましたが、ロングボールのパスやシュートの精度も高かったです。

②カウンターでのドリブルはサッカーに似ているので、やりやすかった。

広いスペースを与えられれば、サッカーでのプレースタイルが活きると思います。

サッカーは基本的にはボールを運びます。運ぶ、ということは運ぶスペースが必要になる。

カウンターを例に考えると、数的有利で人数も少ないため必然的にスペースは大きくなります。そんなときは、サッカーでよく行った運ぶドリブルは活きやすいです。

③ボールが小さくて軽いので、強いボールが蹴りやすかった。

これは個人的な感覚ですが、サッカーをやった後はフットサルで強いボールが蹴ることができます。

サッカーボールのほうが重いというのもあるかもしれませんが、おそらく遠くまで見渡せることも関係していて、遠くの目標まで認識できることで、蹴った先の意識を持てるため強いボールが打てるのではないかと思います。

④ドリブルで運ぶ、ボールを失わないことは、サッカーをやっていたことで活かせた

もともとドリブルが好きだったこともあり、ドリブルで運ぶこと自体はすぐに活かすことができました。

特に、ボールを奪われそうになったときに、ボールキープをする力はサッカーで鍛えられていたので、上手くいきました。

関連記事:フットサルプレー解説/局面を打開!誰でもできる<割るドリブル>前編

競技フットサル移行時、何からやる?

今の僕が競技フットサルを始めたころの自分にアドバイスをするならどんなことか考えてみました。

ここではまず主にプレー中のことにフォーカスしていきます。

①トラップでボールを動かす。

まずはここからかなと思います。足裏でトラップ=足元に止めるのではなくてトラップでボールを動かす習慣をつけること。

これができてくれば、周囲を見渡す時間ができたり、ディフェンスのプレッシャーを受けにくくなります。

なんでもかんでもトラップを動かすものでもないですが、トラップを動かせるようになる→トラップでボールを動かすことをやめる(キャンセル)の順番のほうが良いかなと思います。

②ディフェンスで、もっと寄せる

サッカーはスペースを管理することが多く、人に強く寄せることがフットサルよりも少ないです。また、広いスペースがあるためうかつに飛び込めないことが多いです。

フットサルは人に寄せる距離が近いほど、相手の自由を奪えてチームとして有利に守備ができるので、競技フットサルを始めた時から人に厳しく寄せる習慣をつけたいなと思います。

もっと寄せるようになるには、守備で寄せることができる準備をしないといけません。

そういった意味で下記の関連記事も参考にしてみても良いと思います。

関連記事:勝てる競技フットサルチーム作り 守備編/マークを見失わない方法

③マークを外す動きを多くする

サッカーと大きく違うと感じたことの一つです。マークの外し方がフットサルのほうが様々な方法があり、サッカーよりも整理されています。

そして、狭いスペースでマークを外すため細かいステップが必要で、数十センチの一歩でマークを外すこともできます。

フットサル始めたころは、マークを外す動きが本当にぎこちなかったし、裏に抜ける動きをしてフェイントをかけても、戻りすぎてしまうのです。

マークを外す動きはすぐにでも練習したほうが良いところかもしれません。

④パスコースを作る動きをする(フリーラン)

いわゆるボールを持っていないときの動きです。

前進できるのは、人とボールの2つ。サッカーよりも少ない人数でゴールに向かうので、必然的にボールを持っていない人のランニングが重要になります。

フィールドプレーヤーだけで言えば、75%(4人中3人)がボールを持っていないですから。

関連記事:フットサル選手に必須の個人戦術/ボール無しの動き(シンバロン)

パスコースを空ける動きや、パスコースを作る動き、他の人が使うスペースを作る動きなどボール無しの動きがとても重要です。

こちらも始めたらすぐに教わりたいことです。

松井 後ろから回すときのプレス回避。それが一番、どうしていいのか分かっていない。基本的なフットサルの動きが、この2週間でやっと、さわり程度分かった。もうちょっと積み上げていきたい。(日刊スポーツ記事から

松井大輔選手がこのように発言していますが、ボール無しの動き方で悩んでいることが予想されます。

僕も当初は、ボール持っていないときの動き方がわからない→迷子になる→いきなしボールが来る→焦る→エラーを起こすの流れが多かったです。笑

ボール無しの動きは、慣れもあるので、どんどんエラーを起こして改善していきましょう!

具体的にどんなことから取り組む?

今の知見で当時に戻れたら何から取り組むか。大きくは「ボールを持っていないときの動きを整理して取り組む」かなと。

次にプレー外のことを中心に解説していきます。

①ターンなどの練習やステッピングの練習

短い距離(5mから長くても20m)でのサイドステップやクロスオーバーステップなどの切り返しの多い練習に取り組みます。

サッカーだと中距離や長距離の持久走も多く取り組んでましたが、フットサルは短い時間での高強度の負荷と短い時間で回復する能力が求められます。

なので短い距離で短い時間で心拍数をあげ、短い休息時間のあとにまた短い時間で心拍数を上げるという具合に取り組んでいます。

関連記事:ダルビッシュ選手も使う仙骨枕とは?|フットサル選手の身体のケア

②筋力トレーニング

フットサルは予想以上に負荷が高いため、パワー系(いわゆるBIG3)の筋力トレーニングは欠かせないです。

ジャンプ系のトレーニングだけでも継続的に取り組む必要があります。

③緩急の動きの練習

僕はフットサルこそ緩急が必要だと思います。早く動くだけでは上手くいかないことが多いです。

適切なタイミングで動き続けることが必要で、そのためには早く動くときとゆっくり動くとき、中間くらいの早さなど、状況に合わせて動けることで、適切なタイミングでプレーすることができます。

④フットサルの試合動画を見る

上記の取り組みを実践するためには、実際にフットサルの試合をたくさん見ることです。

今では国内リーグもフリーランニングの質が向上してますし、各国の強豪国が所属している欧州リーグ(スペイン、ポルトガル、ロシアなど)とブラジルリーグの試合を見ると、イメージしやすくなります。

これ、本当に重要です。

試合を実際に見て、どういう動きをしているか整理できると、実際に自身がプレーするときに、プレーイメージを持ちやすくなります。

⑤ちゃんとしたシューズを選ぶ

僕はフットサルを始めた当初2~3年くらい高校の体育館シューズを使ってました。笑

でもやっぱりやりづらさはあったので、初めからシューズをちゃんと選んでおくほうが良いかと思います。

フットサルシューズに絶対的にこだわる必要もないですが、初めはフットサルシューズを履いてみるとよいかと思います。

関連記事:フットサル選手の必須アイテム|足の悩みを解決するインソール!

関連記事:意外と知られていない?バドミントンシューズをフットサルに使用する理由!

まとめ

僕もフットサルを始めたときは何をして良いのか全然わからなかったことがたくさんありました。

しかし、失敗を恐れず、チャレンジをしていたら段々と覚醒していきます。

 

自分に合った適切な取り組みを行えば、必ず上手くなりますので、私の他記事も参考にしてみてください!

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