フットサル ポジション&プレー解説/フィクソがディフェンス中に意識すること

広島エフドゥ(F2リーグ)のNo.16 冨広(@tomymomymamy)です!

この記事では、フットサルのポジション<フィクソ>のディフェンスにフォーカスして、チームでフィクソの僕から解説します。

著者プロフィール
日本フットサルリーグ2部 広島エフドゥ所属
2006〜2014 広島エフドゥ → 2014〜2015 バサジィ大分 → 2015〜 広島エフドゥ
フットサル選手・理学療法士・指導者(T-DREAMフットサルスクール)
【広島をフットサルで盛り上げる】

特にフットサル初心者、サッカーから競技フットサルへ移行したばかりのプレーヤーの方、ぜひご参考ください。

フィクソの特徴・イメージ

フットサルのフィールドプレイヤーで最も後方に位置しており、攻守において起点となるポジションです。

フィクソの主な役割
・ゲームコントロール
・攻撃の起点を作る
・守備の中心

その中でも<ディフェンス>がフィクソにとって最も重要な役割になると私は考えます。

 

※他記事でフウガドールすみだ(F1リーグ)の北村選手が、フィクソの全体像やディフェンスについて解説しているので、そちらも参考にしてください。

関連記事:フィクソってどんなポジション?役割や特徴は?

関連記事:フィクソの1対1 ディフェンス シーン別の考え方

フィクソにとってディフェンスが最も大切

フィクソはサッカーで言うなれば、位置的にセンターバックで、センターバックにディフェンスよりオフェンスが大事と思われる方は少ないと思います。

そしてフットサルはコートが狭いだけに、相手から攻撃を受ける回数がサッカーに比べ格段に多い競技です。

 

攻撃を受ける回数が多い=失点する確率が高くなるので、相手の攻撃をいかに阻止するかがチームの勝利に繋がります。

 

相手の攻撃を阻止する際に、フィクソは声で味方選手を動かし、最後の場面では身体を張って攻撃を阻止する。

 

ディフェンス時に、最もリーダーシップを発揮しなければならないのがフィクソなのです。

向いている選手

体格的なことで言えば、もちろん大柄な選手であることに越したことはないです。

フィクソは身体の大きい・強い相手ピヴォを相手にすることが多くなるので、サイズも必要になってくると思います。

 

経験・キャリア的なことで言えば、サッカーでセンターバックやボランチを経験していた選手が向いていると思います。

フィクソはディフェンスが最も求められるポジションなので、サッカーで上記のポジションを経験していると大きなアドバンテージになると思います。

 

さらにサッカーで守備的なポジションを経験していると、<ディフェンスの楽しさ>を知っていることも大きいです。

 

相手の攻撃を何度も阻止する、強くて速い選手を抑え込む。

ゴールを決める・相手を抜き去るような、見て分かりやすいプレーではありませんが確実にチームを助けます。

僕自身がディフェンス中に意識していること

何より意識していることは、<声を出すこと>です。

声を出すってそんなに重要?

フィクソはディフェンスリーダーです。味方を声で動かし、チームのディフェンスを構築していきます。

 

では、<声を出す>とは具体的にどういうことなのか。一例を紹介します。

 

相手チームに強力なピヴォがいた場合、できるだけその選手にボールを入れたくない。

強力なピヴォの選手だとボールが入り、キープされたら奪うことが難しく、さらに反転シュートや相手選手が走り込む時間を作られてしまうからです。

この図のポジションだとピヴォへのパスコースが空いているので、簡単にピヴォにボールが入ってしまいます。

 

では、どうするのか。

ピヴォへのパスコースを味方に塞いでもらいます。

その時<声>が大事になります。

 

味方に「縦をきれ〜!!」と伝えるだけで、前の味方選手は背後のピヴォがどこにいるのか分かり

どうやって自身の前の相手に寄せたら良いか認知することができます。

このように<声を出す>ことで、相手キーマンへのパスコースを塞いだり、相手の攻撃を遅らせることができるのです。

他にはどんな声がある?

逆にピヴォへのパスコースをわざと空けさせて、フィクソがパスカットを狙うことも声を出すことで可能になります。

 

ボール保持者にディフェンスしている味方に「縦をきれ!」ではなく、「中をきれ!」と誘導すれば、

ピヴォへのパスコースが空くので、フィクソはパスカットを狙いやすくなります。

 

チームによってディフェンスの仕方が決まっていることがあると思います。

マンツーマンの場合、相手ボールになった際に「マンツーマン!!」と味方に伝える。

相手がパスをして走り抜けてきた時も「マンツーマン!」と伝えることも重要です。

 

チームとして、ディフェンスのやり方が決まっているなら敢えて声に出す必要はないのでは?と思うかもしれませんが、

もしかしたら味方がゾーンディフェンスで前に残るという認識かもしれませんし、集中力が切れていて頭が働いていないかもしれません。

 

そういった時にフィクソが声を出すことで、分かりきったことでも、コートの中にいる味方に共通認識を与える・気持ちを鼓舞させることができます。

 

声を出すことなんて誰にでもできることで、当たり前のように思われるでしょうが、とても大事なことなんです。

局面の1対1では何が重要?

いくら声を出しても、どうしてもピヴォにボールが入ってしまうことはあります。

 

ピヴォに入ってしまったら、エリアを問わず反転されないようにしなければなりません。

 

ピヴォに身体を密着させず、反転にも対応できる距離をとりながら対応する必要があります。

 

そして、ピヴォが自陣の方に下がったり、後ろの味方を使えば、ある意味フィクソの勝ちです。

自分たちのゴールから遠ざかることになるので、失点のリスクはかなり下がるからです。

フィクソの注目選手

※選手の所属等は記事投稿時のもの

ディドゥダ選手(バルドラール浦安)

バサジィ大分で1年半一緒にプレーしましたが、守備力の高さにとても驚きました。

強烈なシュートも持ち味ですが、いつも守備面を見て学ばせてもらいました。

特にピヴォからボールを奪取するディフェンスは凄かった。

 

僕がバサジィ大分でプレーしていた時は、当時名古屋オーシャンズに所属していた森岡薫選手には、必ずディドゥダ選手がマンマークをついて、激しいバトルを繰り広げていました。

ピヴォの選手への対応はとても勉強になるはずです。

 

参考:第20回全日本フットサル選手権 準々決勝 バサジィ大分vs名古屋オーシャンズの試合映像

ピックアップ ①動画21:35〜 ②動画43:48〜

ディドゥダ選手の名古屋オーシャンズ森岡薫選手に対するディフェンスです。森岡選手からボールを奪う・カットするシーン

ダニエル・サカイ選手(しながわシティフットサルクラブ)

同じF2リーグの選手だと、しながわシティフットサルクラブのダニエル・サカイ選手です。

自分はピヴォに入ることもあるのですが、試合中何度もインターセプトされて、嫌な思いをしました(笑)

 

2020年度の全日本フットサル選手権でも、F1のチーム相手に常に声を出して味方を動かし、インターセプトを狙うプレーはとても印象に残っています。

 

参考:第26回全日本フットサル選手権大会 準々決勝 トルエーラ柏 vs 名古屋オーシャンズの試合映像

ピックアップ ①動画27:00〜 ②動画41:50〜

フィクソからのパスをインターセプトするシーン

冨広洋平(広島エフ・ドゥ)

自分で挙げるは恥ずかしいですが、参考に試合でのディフェンスの狙いを少し紹介!(笑)

 

参考:第26回全日本フットサル選手権大会 4回戦 ペスカドーラ町田vs広島エフ・ドゥ

ピックアップ ①動画8:33〜

相手には右利きの強力なピヴォの選手がいて、ディフェンスの僕たちから見て右サイドは相手ピヴォの得意なエリアとなります。

なので右サイドにボールがある時は、前の味方選手に縦のパスコースをきらせることを常に意識しました。

このシーンでは、縦をきらせることで相手選手のパスミスを誘発できました。

 

ピックアップ ②動画11:40〜

このシーンで僕(No.16/左サイド)は、相手ボール保持者にアプローチしています。

フィクソの選手から指示が出たので、中のパスコースをきって縦パスを誘発させました。

そうすることでフィクソの選手がインターセプトすることができました。

 

相手ピヴォの選手は右利きなので、ディフェンスの僕たちから見て、左サイドはボールをキープするには不得意なサイドとなります。

このように相手の得意なエリア・不得意なエリアを見極めて、ディフェンスの方法を変えることで、ボールを奪える可能性が上がります。


以上、フィクソのディフェンス時に意識していることについての解説でした。

 

2021シーズンもF1、F2リーグ共に試合が生配信されています。

F1リーグ:ABEMA TV

F2リーグ:ELEVEN(旧MyCujoo)

僕の所属している広島エフドゥの試合もELEVENで見ることができます!

 

コロナ禍では観客数に限りがありますし、リモートマッチになることもあるので、選手の声が画面越しでも確認しやすいと思います。

選手達の試合中の<声>にも注目して、是非観戦してみてください!!

 

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